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他人のことを散々ネタにしてきた山下素童ってどんな人?? ゴールデン街で出会った48人に聞きました!

ゴールデン街でときおり会っても僕が酔っ払っていて何を話したか覚えてないんだけど、素童さんの文章を読むとこの人は全部覚えてそうで怖い。

──山口晶さん(早川書房の書籍編集者)

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「杉浦さんって、出世欲強そう顔ですよね」
山下さんと交わした一言目がこの言葉でした。ドキッとしました。普段隠している本心を見透かされたような気がしたからです。新橋のサラリーマンのような雰囲気、僕は普段出していないのに。 初対面の人にそんなコト言うなんて、ふざけた人だな。そう思うと同時に怖くなりました。僕は彼に本心を見透かされているのに、彼は僕に本心を見せません。 根暗っぽさを出しているのに、人の洞察に長けています。素人童貞を標榜していたのに、よくゴールデン街で女性と肩を並べているのを目にします。 要はモラトリアムが服を着て歩いているような人なんだというのが、ただの僕の感想です。

──杉浦雄大さん(幻冬舎の書籍編集者)

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「山下さんって塩対応ですよね」っていう会話をあちこちで聞くくらいには、たぶん人間に興味とか執着とかもほとんどないし、のらりくらりしてるなー、とは思うんですけど、1回だけ占いという概念自体にブチギレてる姿を見たことがあって。「だいたい当てはまること言ってるだけだろ!」とか「占いに行ってる時点で、主体性のない人間だろ!」とか。わりとありがちな占い批判を、結構な熱量でしてて、ギョッとしました。いや、だったらなんで占い師とお悩み相談のイベントやってんだよ……って思いますけど。決めつけられたりとか、主体性がないことが、めっちゃキライなんだなてその時思いましたね。

──吉田(ボブ)さん(集英社の書籍編集者)

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「今度、一緒に飲みましょうよ!」と誘うと、「一緒に飲む必要あるかな〜」とはぐらかすわりに、道端でばったり会うと3軒くらい付き合ってくれる。寡黙なのに饒舌。底意地が悪いのに優しい。(これは推測ですが、)孤独を愛するのに寂しがり。
そんな矛盾が宿った彼の文章は、だからどれだって面白い。
ぼくが考えてた、”ぼくの伯父さん”そのものだ。

──小山田さん(集英社の書籍編集者 )

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山下くんと一緒にとあるパーティーに行ったとき、彼は端の方で座ってじっとしていました。僕が「この人と話してみたら」と言っても、「いや、いいです」などと言って終始静かにしていました。 ゴールデン街のバーでは山下くんがいわば主役なので「クールに切り盛りしているカッコ良いバーテン」のような雰囲気を醸し出せますが、このようなまったくアウェイの会場では、ただの内向的な陰キャです。 これまでの人生でもそうだったのでしょう。おそらくそのような、膨大な「陰」な時間の積み重ねが、山下くんのエッセイの深みを与えたのかな、と推察します。

──江口匠さん(経済メディア「みんかぶ」編集者)

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塩対応の方が安心するので、本当に機嫌がいいとき以外はあまり愛想よくしないでほしい。 一定の距離感が心地よい人。
とはいえ、はじめて出会った日にとんでもない酔っぱらいと遭遇し、吊り橋効果のハラハラ(ドキドキではなく)を一緒に乗り越えたひとりなので、わたしの中では勝手に仲間認定されています。 あの酔っぱらいはとんでもなかったけど、山下さんとは出会えてよかった。

──小田夏子さん(アートディレクター)

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山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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