2021.12.11
【中村憲剛×横田真人対談 前編】川崎フロンターレの取り組みも参考に、地域密着の新しい陸上競技クラブを作る
熱量を持った人が動くことで、まわりも変わっていく
中村
昨年、コロナ禍によって全中やインターハイなどが中止になるなかで横田さんは中高生のために「バーチャレ」を開催されたとも聞きました。
横田
記録と動画をインターネット上に投稿してもらって記録を競う大会をつくりました。もともと、中高生が河川敷とかで計測したものをアップするかなと思ったら意外にそういうのが少なくて。お願いしてもいないのに僕よりちょっと下くらいの世代の人たちが、中高生のために計測会みたいな非公認の大会をつくってくれて。全部で22に大会になったんです。僕も「TWOLAPS」の選手にお願いして2つほど大会はやったんですけど、あとの20は勝手に生まれたもの。僕みたいな思いの人が結構たくさんいるんだなと思うとなんだか救われた思いにもなったんです。
中村
やはりことが大きく動く時、その源は「熱量」なんですよね。集まれる場所をつくったのがすごく大きい。僕が最初に「ゼロからイチ」と表現したのはまさにここなんです。誰かが音頭を取ってやらないと、そこに集まれないわけですから。熱量を持った人が動くとこうなるんだなって、フロンターレでも感じたし、横田さんの話を今聞いていても感じましたよ。
横田
今回の「TWOLAPS ミドルディスタンスサーキット」もそうですけど、思いのこもった大会が増えていけば陸上の景色が変わってくると思っています。観てもらえる方にも楽しんでもらえる大会が増えればちょっとずつ変わるんじゃないかって。僕が全部つくるのは無理なので、大会のノウハウを教えたりサポートしたりして広がっていけばいいですよね。800mや1500mを中心にした中距離の大会を小さな規模でいいから広げていく。それが僕のやるべきことかなって考えています。
中村
横田さんが次に何をやるのか、本当に楽しみです。僕は今クラブのFRO(フロンターレリレーションズオーガナイザー)を務めているので、ぜひフロンターレともつながりたいですね。気軽になんでも言ってもらえれば。
横田
うれしいです。ぜひぜひ、お願いします!
(後編に続く)
後編は12/18(土)午前9時配信予定です。お楽しみに! (取材時は感染対策を徹底し、撮影時のみマスクを外しています)