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藤原綾「女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住」
バツイチ、シングル子なし、女40代、フリーランス。
編集者、ライターとして、公私ともに忙しく過ごしてきた。
それは楽しく刺激の多い日々……充実した毎日だと思う。
しかし。
このまま隣室との交流も薄い都会のマンションで、
これから私はどう生きるのか、そして、どう死ぬのか。
今の自分に必要なのは、地域コミュニティなのではないか……。
東京生まれ東京育ちが地方移住を思い立ち、地縁のない土地へ。
女の後半人生を掘り下げる移住体験実録進行エッセイ。

始まりは30年後。それじゃ、もう遅い

遠くまで見渡せる人の未来予想図とは

 今回、インタビューを受けていただいた林さんが手がける「東京R不動産」は、早くから東京の空きビルに着目し、大手は相手にしないような変わった物件を見つけては、それを欲している人に繋いでいく形で業界の隙間を埋めるように成長していきました。
 R不動産を立ち上げた当初は、まだネット環境がそこまで整っていなかったとき。
 林さんはそれまで、きっと大きな案件ばかりを担当してきたはずなのに、自転車で街を回って、アポなしで交渉しながら物件を見つけていたそうです。

 不動産を紹介するときも、その住居のストーリーや活用方法をともに紹介するなど、暮らす人の気持ちに寄り添った取り組みをしています。
 他にもtoolboxというDIY商品を販売して、人によって好みは違うことを前提に、暮らす人に主導権を委ねる家づくりを提案。不動産をベースに様々な展開を続ける林さんですが、インタビュー時に「面白いと思うことしかやらない」と話していた通り、どんどん事業を拡張しているというよりは、ゆっくりゆっくり広げているように見えます。

 以前インタビューをしたとき、林さんには私に見えていない何かがとっくに見えていて、既にもっと先を考えているようでした。
 コロナ禍で社会不安が広がるなか、林さんがさりげなく言っていた「東京にはいずれスラム街ができるかもしれない」という言葉は前倒しになったような気がします。
 そして、実家界隈の高層マンションとシャッター商店街の混在は、いずれスラム街ができるという予測と何か絡み合っているようにも思えます。
 なぜこのような現状に至っているのか、今度はテーマを変えて、もう一度林さんに話を聞いてみよう。かなり久しぶりにも関わらず、原稿を先に送りつけるというゴリ押し感が否めないオファーを受けていただき、これからの東京と、地域社会の変化についてお話を伺いました。

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林厚見

林 厚見(はやしあつみ)/株式会社スピーク共同代表
東京大学で建築を学んだ後、同大学院を経てマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、コロンビア大学に留学し、建築大学院の不動産開発科を修了。日本に戻ってきてからは不動産ディベロッパーでの経営企画などを経て現職に。「東京R不動産」、「toolbox」の運営以外にも、建築、不動産、地域の開発や新規事業のプロデュースなども手掛ける。

藤原綾

1978年東京生まれ。編集者・ライター。早稲田大学政治経済学部卒業後、某大手生命保険会社に就職するも、大企業の闇に触れて逃げるように宝島社に転職。ファッション誌の編集を経て2007年に独立し、ファッション、美容、ライフスタイル、アウトドア、文芸、ノンフィクション、写真集、機関紙……と、節操なく仕事を受けてきた結果、幅広い業界で編集・執筆活動を行うことに。近年もブランドムック『ANNA SUI COLLECTION BOOK』、雑誌『小学一年生』、漫画『ごろごろにゃんすけ』(村里つむぎ)、書籍『つくるひとびと』(秋山竜次/ロバート)、小説『海の怪』(鈴木光司)、カタログ『LAZY SUSAN』など、極端なノンジャンルで活動中。

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