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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

コロナ禍選挙も1年以上。内閣の「支持率下落、不支持率上昇」が選挙結果に直結しないことには理由がある

昨年7月の東京都知事選挙では小池百合子知事が街頭に出ることはなかった。(撮影/畠山理仁)
昨年7月の東京都知事選挙では小池百合子知事が街頭に出ることはなかった。(撮影/畠山理仁)

政治家は商品ではないが、一度当選してしまえばほぼ「返品」できない

 それでは、政治家が応援者を獲得するために一番効果的な方法はなんだろうか。
 有権者に現金を配ったり、贈り物を贈ったりすること、ではない。これはルール違反だから、絶対にやってはいけない。もし、やってしまった人がいたら罪を償ってほしい。
 ルールの中で一番効果的な方法は、有権者との接触機会を増やすことだ。つまり、「政治は近いもの」「政治家は近いもの」「あの政治家とは話すことができる」という距離感を有権者との間に築くことだ。選挙に強い政治家は、こうした機会を大切にしている。
 自分が高価な買い物をするときのことを想像してみてほしい。同じ商品を扱う2つのお店があった場合、自分が知っている店と知らない店では、どちらで買うだろうか。高額な商品になればなるほど、商品の実物を見て、じっくり品定めしようと考えるのは当然だ。

 政治家は商品ではない。しかし、一度当選してしまえば、よほどのことがない限り任期中の「返品」はできない。だから有権者は、投票前にじっくり「本物」を見てほしい。できればいろんな政治家を直接見て比べてほしい。自分の目で直接、多くの政治家を見ることで、当選させた後に「だまされた!」と後悔することは確実に少なくなる。
 私はコロナ禍の今こそ、直接政治家を見てほしいと思っている。もちろん、感染しないように気をつけながら、だ。

 昨年3月の熊本県知事選挙では、現職の蒲島郁夫知事が選挙期間中、街頭に出ることは一度もなかった。昨年7月の東京都知事選挙でも、現職の小池百合子知事が街頭に出ることはなかった。しかし、その後の選挙では、ほとんどの候補者が街頭での活動を行っている。感染拡大に注意しながら、屋内での集会を開く候補者も増えてきた。
 自分さえその気になれば、候補者本人を直接見る機会はある。選挙は基本的に4年に一回(参議院は6年に1回だが)しかないのだから、その機会を生かしてほしいと思う。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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