2021.1.18
政治家も有権者も全国民に読んでほしい! 17歳「若者党」党首のキラキラした本気の言葉
長期的な夢は政治家! いま困っているのは、両面テープ代?
選挙好きになってからの西田さんは、毎日ワクワクしながら過ごしているという。選挙期間中には学校が終わった後、毎日選挙事務所を訪問することもあった。
ただし、悩みもあるという。
「同世代の友達に『政治家のポスター写真を撮りに行かない?』と何度も誘っていたら嫌われてしまいました。『将来政治家になりたいと思うんだけど、どう思う?』って聞くと、『政治家? やらないほうがいいよ』って嫌な顔をされることも多いんです。みんな政治の話は難しいと思っているんですよね。自分たちの暮らしに関わることなのに」
もう一つは金銭的な悩みだという。交通費がかかるということだろうか?
「一番かかっているのは両面テープですね」
え? どういうことですか。
「僕は選挙ポスターが好きで自分の部屋に貼っているんですが、その度に両面テープをものすごく消費するんです。そこにかなりお金がかかっています」
西田さんの部屋の写真を見せてもらうと、なんと、選挙事務所のような雰囲気になっていた。壁には自分で作ったポスターも貼られている。
「部屋は4畳半ぐらいなんですけど、もらったポスターやチラシがどんどん増えていき、座る場所もなくなってしまいました。直接候補者からもらったポスターは300種類以上あります」
部屋の壁には西田さんが自ら立ち上げたネット政党「若者党」のポスターやのぼり旗も貼られている。
若者党? 西田さんが代表を務める若者党とは、何をする団体なのだろうか。
「若者に政治に興味を持ってもらおうという団体です。副代表は高校2年。24歳と37歳の人もネットを通じて党員になってくれました。
おもに被選挙権年齢の引き下げや学費無償化を訴えています。今後は若い政治家と若い人たちを集めて政治のことを知ってもらう『若者会議』も開きたいですね。今年の夏、僕が18歳になったら千葉県選挙管理委員会に政治団体の届出をして、活動を本格化させます」
西田さんには長期的な夢もある。それは「政治家になる」という夢だ。
「被選挙権を手に入れるまでは、選挙のボランティアをしながら仕事をして供託金などの選挙資金を貯めるつもりです。最初は地方議会の選挙に出たい。その後は国政選挙、衆議院選挙で若者党から候補者を出したいと思っています。関東では10人単位で候補者を出したい。最終的には地方議員、国会議員あわせて100人ぐらいの規模にしたいですね」
西田さんが今からそう考えているのは、現在の政治への問題意識があるからだ。
「投票率が低い。どうにかして選挙に行ってもらわないとマズいと思っています。若い人が政治から離れると、このままずっと選挙に行かない。若い人たちはネットでは『なんであの人はこんなことしているんだ』と政治への不満を言ったりしている。でも、選挙に行かないと変わらないんですよね。せっかく投票する権利を持っているのに、一票を捨てているのはもったいないと思います」
だから自分が選挙に出て、若者の投票率を上げたいのだという。
「10代20代の投票率を80%ぐらいに上げたいんです。そうすれば若い人も当選できる。とにかく従来の選挙とは違う楽しい選挙をやりたいと思っています。もし、自分が立候補したら、選挙演説ではラップを披露したいですね。選挙は面白いんだよ、政治は面白いんだよと伝えていきたいと思います」
もう一度確認する。西田さんは、まだ選挙権を持っていない。それなのに、ここまで政治のことを考えている。私は選挙に行かない人たちが西田さんを馬鹿にすることを許さない。
西田さんは中学3年生の時、英語の教科書に次のようなメモを挟んでいた。
「若い人が見向きもしない世界に未来はない」
アラフォーはもちろん、有権者のみなさんはどうしますか?