よみタイ

畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」
20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。

前回の第23回は富山の民放局「チューリップテレビ」の記者たちが、富山市議会で起きた政務活動費の不正利用を調査報道で暴いていく、話題のドキュメンタリー映画『はりぼて』についてのお話でした。

富山つながり?ということで、今回は日本一の「保守王国」で知られる富山県を訪れ、10月25日投開票の富山県知事選挙の様子をレポートします

保守王国で半世紀ぶりの分裂選挙! 10月25日投開票の富山県知事選に行ってきた

半世紀ぶりの分裂選挙となる富山県知事選挙。(撮影/畠山理仁)
半世紀ぶりの分裂選挙となる富山県知事選挙。(撮影/畠山理仁)

GoToトラベルで選挙漫遊

 この連載のタイトルは「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」である。「漫遊記」とつけたのは、皆さんにも気軽に各地で行なわれる選挙を訪ね歩いてほしいと思ったからだ。
 選挙は人を引きつける。選挙の現場には様々な人のものすごいエネルギーが充満し、様々な感情が入り乱れる。その熱に少しでも触れれば元気がなくても元気が出る。それがその土地の有権者でもないのに様々な選挙を訪ね歩いてきた筆者の実感だ。
 そこで今回は10月8日に告示された富山県知事選挙に行ってきた(10月25日投開票)。

 前回の連載で紹介した映画『はりぼて』の舞台が富山県富山市議会だったこともある。また、今年2月に朝日新聞の記者から知事選の候補者「一本化」についてコメントを求められ、富山版で記事になっていたこともある。もうひとつの理由は、告示日翌日に名古屋で講演があるため、日本海まわりで足を伸ばしてみようと思ったからだ。

 地図を見ればわかる。かなり遠回りだ。しかし、それでも選挙は見に行く価値がある。
 富山県民なら当然知っていると思うが、今回の富山県知事選挙は半世紀ぶりに「保守分裂」の構図となっている。また、72年ぶりに女性候補が立候補した。「保守王国」と言われる富山では、久しぶりに選挙らしい選挙になっている。地元記者たちも心躍らせて取材を続けているようだった。

 しかし、一般市民の間ではそれほど盛り上がっているようにはみえなかった。若い人たちの関心もあまり高くないように感じた。身近でガチンコの激戦が行なわれているのに、これはあまりにももったいない。
 知事選の選挙期間は日本国内で行なわれる選挙の中でも最も長い17日間だ。他の選挙に比べれば比較的時間に余裕がある。つまり、全候補者にリアルで会える可能性が高い。ぜひ、富山県内はもちろん、近隣の方は足を運んでまれにみる激戦を目撃してきてほしい。

 ちなみに今回、筆者は「Go Toキャンペーン」の適用を受けて割引料金で富山に宿泊した。宿泊金額に応じてもらえる地域共通クーポンは近隣エリアの取り扱い店舗(取り扱い店舗検索マップ)で使える。
 しかし、残念ながら登録店舗が多いとはいえない。時間の都合もあり、筆者はコンビニで富山の地酒を購入した。
 訪ねた地方で買い物をしたり、地元の美味しいものを食べるのも漫遊の楽しみだ。富山には美味しい魚もある。みなさんには、ぜひ現地の味を楽しんでほしい。
 東京都知事選のように候補者が22人も出ていると、選挙取材中は食事抜きで各候補者を追いかけることが多くなる。しかし、今回は候補者が3人だったため、「氷見うどん」と「もつ煮込みうどん」を食べる時間を確保できた。麺類が多くなるのは食事の時間を節約するためだ。
 言うまでもなく、どちらも美味であった。

氷見うどん。地域のグルメを楽しむのも選挙漫遊の醍醐味のひとつ。(撮影/畠山理仁)
氷見うどん。地域のグルメを楽しむのも選挙漫遊の醍醐味のひとつ。(撮影/畠山理仁)
1 2 3 4

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

週間ランキング 今読まれているホットな記事