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政治家も有権者も全国民に読んでほしい! 17歳「若者党」党首のキラキラした本気の言葉

千葉から東京、神奈川まで自転車で取材に行っている?

 初めての選挙事務所訪問では、候補者本人には会えなかった。しかし、事務所にいた大人たちが「若い人が政治に興味を持つなんてすごい」「ぜひ政治家になってね」と言われたことが西田さんを勇気づけた。

「いろんな人に会って話を聞くといいよ、とアドバイスされて、そうしよう、と思いました」

 西田悠真さんがこれまで見てきた選挙は「数え切れない」という。西田さんは党派に関係なく事務所を訪ねる。SNSなどで候補者の遊説予定を調べて、直接、候補者にも会いに行っている。

 なんと、選挙がない時でも県外までポスター探しや事務所探訪の旅に出ている。サポートするご両親はさぞかし大変だろうと思って話を聞くと、驚きの事実が判明した。

「全部一人で行っています。東京にも行っていますよ」

 一人で? 千葉からだと交通費がけっこうかかるのではないか。

「いえ、全部自転車で行っています」

 ええっ!? ここから東京までは50km近くあるんですけど!

「神奈川県へも自転車で何回も行っていますね」

 大冒険に絶句した。50kmは車で行くのも迷う距離だ。自転車で行くと何時間かかるのか。

「移動時間だけで9時間とか12時間とかかかりますね。2016年の東京都知事選挙に21人が立候補したときは心が踊りました。政見放送を見ていて、面白いなあ、見に行きたいなあと思って、気がついたらママチャリで出かけていました。当時はまだ中学生で『電車で行く』という発想がなかったので、朝5時に家を出て、夜9時ぐらいに帰ってきました」

 東京に土地勘があるのだろうか? そもそも、道はわかるのだろうか?

「当時はスマホを持っていなかったので、家のタブレットでグーグルマップを全部暗記してから行きました」

 まさかの地図暗記! 若いから覚えられるのか?

「なるべく曲がらないでいける道を暗記していきました。当時はWi-Fiって何かがわからなかったので、外でネットに繋ぐという発想もなかったんですよね」

 ものすごい力技だ。この時の写真もニンテンドー3DSで撮っていた。私にはとても真似できない。世の中にはとんでもない若者がいる。

初めて事務所訪問をした2012年の西田ゆずるさんの事務所。画質は粗いのは、当時、ニンテンドー3DSで撮影したものだから。(写真/西田さん提供)
初めて事務所訪問をした2012年の西田ゆずるさんの事務所。画質は粗いのは、当時、ニンテンドー3DSで撮影したものだから。(写真/西田さん提供)
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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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