2020.3.16
新型コロナウイルス対策で自粛ムード一色の中でも選挙は行われる。今こそ「インターネット投票」の導入を検討すべき?
エストニアで実現した「インターネット投票」はどうだろう?
候補者による街頭演説や個人演説会はライブであり、選挙の華だ。
演説会場には多種多様な人々が集まる。偶然通りがかる人もいれば、応援や批判のために集まる人たちもいる。だから、必ずと言っていいほど予想外の出来事が起きる。
そうした「不測の事態」が起きた時、候補者の思わぬ素顔が見られる。
以前、街頭演説の予定を教えてくれなかった石原宏高衆議院議員の演説場所を突き止めて、「どうして遊説予定を隠すのですか」と話しかけたら、脱兎のごとく走って逃げられたこともあった。私が「現場でいろんな角度から生身の候補者を見たほうがいい」と言い続けているのはそのためだ。
しかし、新型コロナウイルスにより、今はそれが難しい状況だ。幸山候補は県内を選挙カーで遊説して回っているが、有権者との握手は自粛している。ニュース映像を見たら、出発式では手を触れ合わないでポーズだけの「エア・ハイタッチ」をしていた。
幸いなことに、日本では2013年4月に公職選挙法が改正され、インターネットによる選挙運動が解禁されている。そのため、今回のように屋内集会が自粛されても、候補者がインターネットを通じて有権者に訴える機会はある程度確保されている。
この選挙制度改革を決断したのも政治だ。つまり、政治がやろうと思えば変えられる。今回の新型コロナウイルスをきっかけに、そろそろ「災害時でも便利に投票できる仕組み」を考えてみてはどうだろうか。
たとえば「インターネット投票」だ。不特定多数が集まる屋内の投票所に足を運ぶ必要がなくなれば、感染のリスクは減る。外出が困難な人も、貴重な一票を投じられる。
もちろん、インターネット投票には「本人確認をどうするか」「投票の秘密をどう確保するか」などの課題もある。
しかし、エストニアのように、インターネット投票を実現した国はあるのだ(全員がインターネット投票をするのではなく、紙で投票することもできる。また、投票締め切り前に、紙の投票用紙やインターネット投票で投票先を訂正することもできる)。
もし、日本でもインターネット投票が可能になれば、投票方法の選択肢が広がる。現在は投票率が低い在外邦人も、海外から簡単に投票できるようになる。有権者が一票を捨てずに済む仕組みを作ることは、決して悪いことではないはずだ。
検討するか、しないか。やるか、やらないか。そうした政治の行方を決めるのも、みなさんが選挙に行くかどうかにかかっている。
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【熊本県知事選挙・候補者公式ウェブサイト/届出順】
●幸山政史(こうやませいし)候補