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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」
20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。
前回の第7回では、大真面目な「牛の着ぐるみ姿」の市議会議員のお話でした。
今回は、日本と海外の違いから考える供託金問題のお話です。

日本370人、イラン約7500人! 国会議員選挙立候補者数の違いから考える「供託金」問題

どれだけ日本の供託金が高いかがよくわかるデータだ。(著者作成)
どれだけ日本の供託金が高いかがよくわかるデータだ。(著者作成)

高い参入障壁「供託金」。世界はどうなの?

 みなさんは2月21日に投票が行なわれたイラン国会選挙のニュースを見ただろうか?

 日本とイランは政治や選挙の仕組みが違うから、単純に比較することはできない。しかし、イランの選挙に立候補しようとしていた人の数を聞けば驚くはずだ。

 なんと、約1万6000人もいた。

 イランで立候補するには、イスラム法学者らでつくる「護憲評議会」の事前審査を通過する必要がある。そのため、立候補を希望した半数以上が失格とされ、実際の立候補者数は約7500人にとどまった。それでも日本の選挙に比べれば格段に候補者が多かった。

 ちなみに、日本で2019年7月に執行された参議院議員選挙(改選数124)に立候補した人の数は370人。日本では、選挙に立候補すること自体が「狭き門」なのだ。
 候補者が少ない理由の一つとしてよく挙げられるのが、選挙に立候補するために必要な「供託金」だ。詳しくは筆者が調べた供託金についての各国比較を見てほしいが、日本の供託金は世界的に見てもバカ高い。

 世界を見渡せば、アメリカ、ドイツ、イタリアなどのように、供託金制度自体が存在しない国も多い。冒頭で取り上げたイランも供託金は必要ない。供託金がある国でも、日本ほどは高くない。フランスでは数千〜数万円ほどだった供託金ですら、高すぎるとの批判が高まって廃止されている。

 本当に供託金制度は必要なのだろうか?

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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