2020.3.2
日本370人、イラン約7500人! 国会議員選挙立候補者数の違いから考える「供託金」問題
高い参入障壁「供託金」。世界はどうなの?
みなさんは2月21日に投票が行なわれたイラン国会選挙のニュースを見ただろうか?
日本とイランは政治や選挙の仕組みが違うから、単純に比較することはできない。しかし、イランの選挙に立候補しようとしていた人の数を聞けば驚くはずだ。
なんと、約1万6000人もいた。
イランで立候補するには、イスラム法学者らでつくる「護憲評議会」の事前審査を通過する必要がある。そのため、立候補を希望した半数以上が失格とされ、実際の立候補者数は約7500人にとどまった。それでも日本の選挙に比べれば格段に候補者が多かった。
ちなみに、日本で2019年7月に執行された参議院議員選挙(改選数124)に立候補した人の数は370人。日本では、選挙に立候補すること自体が「狭き門」なのだ。
候補者が少ない理由の一つとしてよく挙げられるのが、選挙に立候補するために必要な「供託金」だ。詳しくは筆者が調べた供託金についての各国比較を見てほしいが、日本の供託金は世界的に見てもバカ高い。
世界を見渡せば、アメリカ、ドイツ、イタリアなどのように、供託金制度自体が存在しない国も多い。冒頭で取り上げたイランも供託金は必要ない。供託金がある国でも、日本ほどは高くない。フランスでは数千〜数万円ほどだった供託金ですら、高すぎるとの批判が高まって廃止されている。
本当に供託金制度は必要なのだろうか?