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『42歳からのシングル移住』藤原綾さんと、“デュアルライフvs完全移住”良いとこ悪いとこ徹底トーク!

地方への完全移住、仕事やお金は大丈夫なのか?

佐藤 霧島生活はどうですか?

藤原 いや、もう最高ですよ。

佐藤 連載を読んでいるから実は知っていたよ。すごく充実しているみたいでよかったね。仕事も順調?

藤原 移住したせいで失った仕事ももちろんあるけど、逆に移住してから新しくいただいた仕事もあって、トントンです。

佐藤 僕らの仕事は基本的に自宅の仕事部屋にこもってやることが多いし、取材や打ち合わせもリモートでできるから、東京にいなくてもいいや、ということはあるよね。

藤原 本当にそう思います。

佐藤 僕らは編集や原稿書きの仕事しか知らないけど、同じようにどこにいてもできる仕事って増えているんだろうね。だから移住やデュアルライフに関心がある人が多くて、山中湖村に最近できたサブスク型のセカンドハウスも盛況。通りかかった時に見てみると、窓から気持ちのいい森を眺めがら、パソコンで仕事をしている人がいっぱいいるよ。日本人の働き方も変わってきたって実感する。コロナもあって、そうした状況が急加速したよね。

藤原 でも、コロナによる悪影響も大きいじゃないですか。カタログやファッション系ムックのお仕事が減ったのは厳しいですよね。

佐藤 そうだよね。実は我々も結構、影響を受けているよね。

藤原 でも、霧島で暮らしていると本当にお金を使わなくて済むから、あたふたすることもないなって思うんですよ。毎月の生活費は、東京にいる頃の比じゃないかも。物価も安いし、そもそも温泉にでも行けば幸せ〜という感じなんで。

佐藤 そこはうらやましいな。僕はデュアルライフと言えども、メインの生活拠点はやっぱり東京だから、最近は特に消耗を感じることが多くて。

霧島はとにかく、温泉が素晴らしい! とのこと
霧島はとにかく、温泉が素晴らしい! とのこと

藤原 ですよね。誠二朗さんは山中湖村にはどのくらいの頻度で行っていますか?

佐藤 いや、それがなかなか行けないんだよ。娘が中学2年生で部活や勉強が忙しいじゃない。なかなか家族揃ってゆっくり“山の家”で過ごす時間が取れなくて。最近は維持管理の意味も含めて、一人でさっと行くことが多いんだよね。

藤原 デュアルライフに関してはそういう声をよく聞きますね。結局、あまり行けなくなって破綻する人も多いとか。大丈夫ですか?

佐藤 うちの場合、今のデュアルライフは、家族ぐるみの長い人生計画の通過点だから。子供が手を離れ、妻の仕事も東京にいなくてもできるようになれば、やがて東京の家は畳んで山中湖村に完全移住する計画の途中段階なんだよね。それももう割と近くなってきたと感じるので、今は踏ん張り時かな。

藤原 そうなんですね。私は家族がいないから、一人で思い切って完全移住ができたけど、ご家族がいる誠二朗さんはすぐには移住できないですよね。

佐藤 そうね。それに両親も健在で、東京にいるから。

藤原 わかります! 親の存在は大きいですよね。私も実は、移住しようと決めて、それをいよいよ打ち明けようと思ったちょうどその日に、父が他界したんです。母はもっと前に亡くなっているので、両親ともに私が霧島に移住したことは知らないんですよ。

佐藤 僕や綾さんのような東京生まれ東京育ちに“故郷”という感覚は薄いけど、親のいる場所がやっぱり故郷だから、親が健在の間はなかなか完全に東京を離れる勇気が出ないんだよね。

藤原 そうですよねー。

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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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