よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。

山の中の一軒家で、トイレが凍結して流れなかったらどうしますか?

オー・マイ・ゴッド!! 妻が忘れてきたスマホを取りに、山の家へトンボ返り

しかし帰り道の東名高速は大渋滞。
9月からはじまった東名集中工事は前日に終了していたため、渋滞はないだろうと踏んでいたのですが、続けてはじまった“東名リニューアル工事”とやらと事故の影響で、御殿場の入り口からずっと混雑していたのです。

山中湖村の家から東京・世田谷の家までは、順調にいけば1時間半かかるかかからないかの距離なのですが、その日は出発から4時間経ってもまだ高速道路の上でした。
午後8時半、夕食を取るため海老名サービスエリアに寄ります。ここまで来れば、東名高速終点の用賀まであと一息。やっとゴールが見えてきました。
しかし、レストランの席に座った妻が、なんとも言えない表情でつぶやきました。
「会社のスマホ、忘れてきちゃったみたい……」

わお!
これ、デュアルライフにおけるワン・オブ・最悪なパターンです。
明日からの平日に必須の仕事用スマホを、妻はうっかり山の家に置いてきたのです。
月曜日の夜にはそのスマホで大事な連絡をしなければならないので、どうしても取りにいかねばと言います。
しかし、やっとの思いで超えてきたあの大渋滞を思うと、今から引き返してもう一往復するのはあまりにも億劫です。

そこで、夫婦で“明日の予定じゃんけん”をしました。
妻「朝から大事な会議があるので出社しなければ。帰宅は夜になりそう」
僕「月曜の予定は……、定期の歯石取りのために予約している歯医者だけですな」

はい。わかりました。
こういうとき、フリーランス夫に断る術はありません。
世田谷の家に妻と娘と犬を送り届けたあと、僕は再び東名高速に乗り直しました。
調べてみたところ、東名の下り車線は工事もなく、順調に流れているようです。
でも、向こうに着くのは深夜。
スマホを回収して東京の家に向かうと、上り車線の渋滞に再び巻き込まれる可能性もあり、疲労度を考えるとちょっと危険です。

では、山の家に一人でもう一泊しようかとも思ったのですが、水抜きまでして完全シャットダウンした家に戻り、水道を復活させたのちに部屋を暖めて一夜を過ごし、またすべてのシャットダウン作業をして帰るというのはチョー面倒臭い。

そこで、東名高速の御殿場ICを降りてすぐのところにあるビジネスホテルを予約。
そこに一泊し、夜が明けたらさくっと山の家に寄ってスマホを回収する作戦を立てました。

ビジネスホテルは温泉&和朝食付きで一泊6,600円(もちろん、妻払い)。
リーズナブルなうえ思いがけずちょっとした旅行気分を味わえ、実はなかなか快適でした。
小さなシングルルームでしたが、ひとつだけの小さな窓は富士山の真正面で、夜明けの時間には赤く染まる富士山を拝むことができました。

額に飾った絵のような、ビジネスホテルの窓から見える紅富士
額に飾った絵のような、ビジネスホテルの窓から見える紅富士

遠くの山に目を向けると、熱気球がひとつポカンと浮かんでいます。
なんとまあ優雅な。
こんな平日の朝に、気球を浮かべて空の散歩をしているのは、一体どんな人種なのだろう? と、朝一に入った温泉でホクホクしつつ考えます。
はたから見れば「あんたこそ、何やっている人?」という感じなのかもしれませんが。

平日の朝から優雅に空の散歩をしている人がいた
平日の朝から優雅に空の散歩をしている人がいた

連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから
本連載は隔週更新です。次回は12/22(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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