よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。

“富士山噴火”は、ダイヤモンド富士にも勝る一大イベント!?

「富士山って、むしろ噴火した方がいいんじゃないの」という考え、ダメですか?

今年10月20日に、火砕流を伴う噴火があった阿蘇山。
でも活火山・阿蘇山の中核となる中岳では、数年間継続する大規模なものから数日間で収まる小規模なものまで含めると、ここ20年間では2004年、2005年、2011年、2015年、2016年、2019年にも噴火が観測されています。
8月13日に噴火し、海面上に新しい島を出現させた福徳岡ノ場も、活発な海底火山です。
明治以降、1986年までに噴火は7回、島出現は3回(いずれも短期間で海没)。それ以降はしばらく落ち着いていたものの、2005年からまた活性化しています。
今年は1986年以来久々に島が出現する規模の噴火となりましたが、その島も間もなく波の侵食で消え去るそうです。

つまり阿蘇山も福徳岡ノ場も、噴火すること自体は珍しくもなく、同時期に起こったからといっても、南海トラフ地震や富士山噴火の前兆であると断じて騒ぐのは、ちょっと短絡的な気がします。

富士山は確かに、明日噴火してもおかしくない活火山ですから、用心するに越したことはありません。
でも週刊誌やテレビが富士山噴火ネタを取り上げるとき、まるでこの世の終わりのような論調であおるのが気になります。
もともと日本はペシミスティックな国民性なので、マスコミも人の恐怖心を掻き立てる方に傾きがちなのかもしれませんが、僕にはどうも合わないスタイルです。

近年もビシバシ噴火している阿蘇山は、観光火山として有名です。
噴火口まで徒歩一分のところに駐車場があるので、国内からも海外からも、大型バスに乗った大勢の見物客がやって来ます。
僕も高校の修学旅行で訪れた阿蘇山では、常時噴煙が立ちのぼる火口に落ちるふりをした記念写真などを撮って遊びました。
阿蘇山のほかにも箱根山や浅間山など、活火山であることを売りにする観光スポットは、日本中にいくつもあります。

世界最大級の活火山にして、今も激しい噴火活動を繰り返しているハワイ島のキラウエアも、世界的に有名な観光名所です。
僕はここにも行ったことがあるのですが、噴火口のマグマや噴煙がよく見える場所に建てられたリゾートホテルに泊まり、まだ暖かい溶岩を靴の先でツンツンし、観光ヘリに乗って煮えたぎる噴火口を真上から見物しました。

大規模な爆発的噴火が起これば、火山弾や火砕流、溶岩流、火山灰などの発生が想定されるので、最低でも人的被害はないように対策すべきということは言うまでもありません。
でも地震と違って火山噴火はある程度の予測がつき、対策を練りやすい天災であることも知られています。
もちろん噴火規模にもよりますが、もし富士山が実際に火を噴いたとしても、マスメディアがあおるような未曾有の大災害にはならないんじゃないかと、基本的にオプティミストの僕は考えています。
むしろ噴火を再開した富士山は、今以上に人気の観光地となるのかもしれません。

山中湖村に隣接する富士吉田市街地と富士山
山中湖村に隣接する富士吉田市街地と富士山

内閣府が提供しているハザードマップによると、僕の住んでいる山中湖村の一角は、火砕流や溶岩の到達はまぬがれそうな地域ではあるものの、もし大規模噴火となったら火山灰が50cm以上も積もるそうです。

内閣府が提供している富士山噴火ハザードマップ
内閣府が提供している富士山噴火ハザードマップ

そりゃあ間違いなく大変なことではあるのですが、もし富士山が噴火したら、紅富士にもダイヤモンド富士にも勝る一大スペクタクルが見られるでしょう。
それはそれで、なんだか楽しみな気がします。

富士山の直近の噴火は、犬公方として知られる第五代将軍・徳川綱吉の時代、1707年11月に発生した宝永の大噴火です。
今も富士山南東斜面に確認できる大火口を残すほどの規模の爆発で、江戸の町にも一時は空が真っ暗になるくらいの火山灰が降り注いだそうです。
火山灰の影響で静岡から神奈川へ流れる酒匂川が氾濫したり、小田原藩の収穫物が大きく減ったりしたそうですが、その後も江戸幕府は安泰だったわけですから、やっぱり世の中がひっくり返るほどのことではなかったとも考えられます。

しょぼくれた話題ばかりの日本にとって富士山噴火は、景気づけの打ち上げ花火になるかもしれません。
富士の神様、いっちょどうですか。ドドーンと派手に!

罹災する人の気持ちも考えろバカ。不謹慎だ!
火山灰でインフラが分断されたら、日本の経済はどうなると思っているんだ!
というお叱りの声が聞こえてくるようですが、誤解しないでください。
これも一種の思考実験なのです。

連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから
本連載は隔週更新です。次回は12/8(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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