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“富士山噴火”は、ダイヤモンド富士にも勝る一大イベント!?

富士山噴火Xデーは近い? インターネット上を駆け巡る不気味な噂

ところで最近、富士山にまつわる不穏な噂が飛び交っていることをご存知でしょうか?
“富士山噴火Xデー近し”という説を、「日刊大衆」が取り上げ、にわかにザワついているのです。

記事に呼応する形で一部SNS上では、「そういえば、三●地所が富士山噴火を想定したシミュレーションを開始した」「噴火すると知っている政治家から、秘密裏で一流企業へ情報が流れている」「権力者の家族はすでに避難済みだ」などという眉唾ものの噂まで囁かれています。
面白いじゃないの、まるでリアル『日本沈没』だ。

僕は科学的根拠薄弱でなかばオカルトチックな予言・予知の類や、コロナ禍の社会でも広がった陰謀論的なものに、本気で与する人の気持ちがよく分かりません。
火山の巣窟の中にいるようなこの日本で、地震がくる火山が噴火すると言い続けていれば、そりゃあいつかは的中するでしょう。
それに、為政者や権力者は意外と公明正大で、正義に基づくストレートな論理で社会を動かそうとしていると考えた方が、腑に落ちることが多いものです。
まあ壮大なオカルト話や陰謀論は一種のエンターテインメントなので、もし本当だったら……と思考実験を楽しむことはありますが。

オカルト派は言います。
「最近やけに地震が多いでしょ? それ前兆だから」と。
言われてみると、確かにそんな気もします。
10月7日の夜に発生した、約10年ぶりという首都圏直下型地震には、少しハッとさせられもしました。
そこで、気象庁がインターネット上で一般公開している「震度データベース検索」にて、最近の地震回数をちゃんと調べてみることにしました。
すると今年は、4月にトカラ列島付近や東北で群発したためにやや回数が増えましたが、それ以外の月はほぼ例年並みで、特に地震が増えているわけではないということがわかりました。

気象庁の震度データベース検索
気象庁の震度データベース検索

オカルト派はさらに言うでしょう。
「ホントにヤバいのは火山。最近あちこちでバンバン噴火しているじゃないですか」と。
くだんのウェブメディアも、南海トラフ地震を経て富士山噴火につながるかもしれない予兆として、最近の阿蘇山噴火と、大量の軽石流出で話題になった小笠原海域の海底火山噴火を挙げていました。

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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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