よみタイ

今日はハードオフ、明日はカインズホーム。山の家暮らしでも買い物はやめられないのだ!

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

豊かな自然に囲まれていても、エシカルでエコロジーな生活はなかなかできません

50代になった今も流行りものには臆面もなく乗っかっていく性格なので、最近はClubhouseなるものに心奪われ、連日連夜入り浸っています。
ただし“会って残念、話して遺憾”を自認する中年性コミュ障男でもあるので、とりあえず聴く専門。
あちらこちらのルームを巡回あるいは徘徊はいかいし、(Clubhouseで話すやつは、どいつもこいつも無駄に意識たけーな!)などと心中で悪態をついたりしながら、無言を決め込んでただ聴いている。これが実に楽しいのです。

先日、都会から離れて田舎暮らしをはじめた人たちが集う部屋を発見し、覗いてみました。
まだ田舎暮らしスタート半年以内の初心者たちが、素晴らしき日々について言葉を尽くして語り合っていたそのルーム。
(もう少し長く暮らせば、イヤなところも目につくんじゃないの〜)と、やや意地悪な冷やかし気分で聴いていたのですが、半年と言えばまだハイテンションが継続しているので、まぁそんなもんかなとも思いました。
でも気になったのは参加者が口をそろえ、田舎暮らしはいかに金を使わなくて済むか、なんなら“脱資本主義”も夢じゃない、と熱く話し合っていた点です。

いやいや、待て待て……。
僕の場合は純粋な田舎暮らしとは違い、基盤は東京に置いたまま時おり山の家に行く半端者なので、潔く都会生活を捨てた彼らの説に口は出せませんが、デュアルライフを決してお金の節約にはつながっていません。
むしろ、都会ではできない楽しいアクティビティがたくさんあるため、山の家に行くたびに出費がかさみます。

景色のいいところで暮らしていれば物欲もなくな……らない!
景色のいいところで暮らしていれば物欲もなくな……らない!

山中湖村の家に滞在している間によく行くお店は、車で15分ほど走ったところにある、富士吉田市のカインズホームとケーヨーデイツーです。
地方の幹線道路沿いにあるホームセンターは、都会ではまず見られないような大規模店舗で、めちゃくちゃ楽しいショッピングスポットです。
日用品から家具、家電、工具、ガーデニングやDIY用品、スポーツ、アウトドアグッズetc.。日々の暮らしからレジャーに至るまで、生活に必要なありとあらゆるものがそろっています。
しかも、ケーヨーデイツーが属するDMCホールディングスとカインズホームが属するベイシアグループはしのぎを削り、安くて便利でオシャレな日用雑貨を競って開発しているので、棚を見て歩くだけで数時間は楽しめ、いつの間にかカートいっぱいに詰め込んだ商品をレジに運んでいます。

たとえ田舎で暮らしていても、こうしてせっせと買い物をしてしまう、シンプルライフとは程遠い我が家の消費生活。
エシカル&エコロジーライフを標榜する人にとっては、眉をひそめたくなる話かもしれませんが、これが実態と言えば実態です。
もともと買い物大好きで、新しいものに目がないサブカルオヤジがデュアルライフをすると、結局こういうことになるのです。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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