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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

カメラ!カメラ!カメラ!〜駄カメラ、マニアックカメラこそ面白い!

マニアックなカメラ好きとして一部で有名なタレント、石井正則氏著の『駄カメラ大百科』という本を読んで以来、カメラ熱が再燃している。
石井氏の偏執狂ぶりには遠く及ばないけれど、もともと僕もマニアックなカメラが好きなのだ。

日常的にプロカメラマンと一緒に仕事をすることが多い編集者は、影響を受けてカメラに凝る人が多い。僕も一時期は相当はまった。
メイン機はレンジファインダーカメラとハイエンドなコンパクトデジカメだったが、そのあたりはあまり面白くもないので割愛。
お話ししたいのはメイン機と同等、いや、それ以上に楽しんだかもしれないトイカメラや特殊用途のカメラについてだ。

iPhoneのカメラ性能がコンデジ並になり、しかも様々なアプリを使えばトイカメラのような面白い写真が撮れるようになってからは熱もやや冷めていた。でも最近はアプリでは不可能な付加価値がついた面白カメラが次々に登場するから忙しい。
あきれるほど超望遠のデジカメや、防水アクションカメラ(と言うと、僕ら世代はエロ本を思い出すけど、話が長くなるのでこれも割愛)、360度カメラ……。

直近で買ったのは動画用だけど、DJIのOSMO POCKETだ。ジンバル一体型で、まったく手ブレのないスムーズな動画が撮影できる素晴らしいカメラだ。

使えなくなっても、処分できないカメラがある

処分せずに長いこと持っているマニアックカメラもある。
ポラロイドSX-70は、今やフィルムがバカ高くて、1枚撮るのに300円弱かかる。でもその独特の味わい深き写真は他に代えがたいので、ときどき気合いの雄叫びとともにシャッターを押す。

フィルムカメラ時代最晩年に買ったフジフイルムのNATURA BLACKも、残しておいてよかったと思えるカメラだ。コンパクトカメラとしては変態的なF1.9という明るいレンズを搭載していて、高感度フィルムと合わせると天国のように明るく綺麗な写真が撮れる。
NATURA BLACKはマニアの間でいまも人気があり、中古市場で高騰しているので、ときどき「売っちゃおうかなー」と思うこともあるけど、なんとか耐えている。

一時ブームとなったLOMOもまだ持っている。でも、経年変化なのかフィルム室の接着剤が溶けてベタベタしていて、あまり触りたくない。こうなるとただのオブジェだけど、フォルムが可愛いからずっと手元に置いている。

オブジェと化しているカメラはほかにもある。
ピールアパートという剥離式ポラロイドフィルムを使うProPack cameraとピンホールカメラのPolaroid Pinhole Camera 80。両方とも実に素敵な写真が撮れるのだが、ピールアパートフィルムの生産が終了してしまい、いまはもう撮ることができない。
でもこの世界、一度なくなってしまったものが突然復活することもときどきあるので、僕は淡い期待を持って待ち続けている(これだから家が片付かないのだ)。

ああ、愛すべき駄カメラの世界。まだまだ奥は深い。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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