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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

“光学機器萌え”は、女性にはなかなか理解してもらえない心理らしい

女性には到底理解してもらえない大人の男の嗜好のひとつに、“光学機器萌え”がある。
カメラ、望遠鏡、顕微鏡などなんでもいいんだけど、レンズがついているアイテムに異様なほどの魅力を感じてしまうこと、ありません?

重症度はそれほど高くないが、僕にもその傾向があることを自覚している。
カメラとレンズには一時期かなり凝っていたし、新しくて優れた双眼鏡や望遠鏡がときどき無闇に欲しくなる。

いまはゴルフのレーザー距離計に強い魅力を感じている。
ゴルフの残りヤードなんて、キャディさんがその都度教えてくれるし、いま主流のGPSカートだったら常に画面に表示されるから、距離計なんて本当は不要のはず。でもゴルフ場に行くと、多くのオヤジが嬉々として距離計を覗いている。これはただレンズを使いたいという欲求を満たしているだけではないかと思う。

ああ〜、レーザー距離計が欲しい! きっと早晩買うことになるだろう。

レンズをポケットに入れているだけで少し幸せな気分になる

そして最近、お手軽にレンズ欲を満たしてくれるアイテムを買った。日本が誇る光学機器メーカー、ビクセンのルーペだ。

堅牢なメタル製ホルダーに、3倍、4倍、5倍のレンズが収納される方式で、それぞれのレンズを組み合わせることでさらに6.5倍、9倍、11倍、15倍の倍率で見ることができる優れものだ。
メタル製なのでずっしりとした重みとひんやりした感触があり、手になじむちょうどいい大きさであるところも萌えポイント。

買ってきてすぐに小学生の娘に自慢しつつ、手の指や机の表面を見て喜んでいたら、妻から問いかけられた。
「で、何に使うために買ったの?」と。

「む、虫とかさ……。い、石の表面とか服の縫い目とか、いろいろ見たいじゃんか!」
ややしどろもどろ気味に答える僕に生温かい視線を送りつつも、それ以上つっこんでこないところが妻のいいところだ。

休みの日にポケットに入れているだけでちょっと嬉しい。
なんか変なことを書いてるかな〜と思いつつ、共感してくれるおっさんも多いはずと確信しているんだけど、いかがなもんでしょうか?

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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