よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

メガネ〜オシャレはオシャレじゃない? ストリートおじさんのややこしい心理

ダサい格好はしたくないし、自分なりにファッションのテーゼを持っているつもりだが、人から「服が好きなんだね」とか「流行に敏感だね」と言われると嫌だし、そう思われたくもない。

ファッションなんてどうでもいいぜ、という態度なのに、なぜかオシャレになっている。流行なんて意に介さない独自のスタイルなのに、いつの間にかいい感じになっている。
……これが理想なのだ。
ま、そうやってウダウダ考えている時点で、すでにかっこ悪いのかもしれないけど。

早川義夫の名作アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』じゃないけど、“オシャレなことはなんてオシャレじゃないんだろう”という心理だ。
ストリートおじさんも、けっこう面倒臭いのである。

とにかく、人からオシャレ最優先人間とは思われないように、昔から意識しているというのは本当。ここ、なかなか説明が難しいけれども。

それで、いつも悩むのがメガネだ。ど近眼の上に最近は老眼もはじまっている僕にとって必需品のメガネは、常に顔のど真ん中にあって目立つアイテム。
ここで頑張りすぎても油断しすぎても、せっかく微妙に取っている(つもりの)バランスが台無しになってしまう。

だからダサくなく、若ぶりすぎず、オシャレすぎず、遊びすぎず、かといっておっさんぽくなく、強すぎず、弱すぎず、ビジネスやスポーツ寄りでもない、ちょうどいいメガネはないかと探すことになる。

安いメガネをかけているのにも理由があるのだ

そんなことを意識しつつ、三年前までは金子眼鏡店か白山眼鏡店でよく買っていた。でもあることをきっかけに、しばらくはジンズかゾフでしか買わないことに決めた。

きっかけは犬を飼いはじめたことだ。うちの犬は相当ないたずら坊主。かなり躾はしたのだが、留守番しているとどうしても人恋しくなってしまうのか、つい人の匂いのついたものをかじる癖がある。
スリッパ程度ならいいんだけど、大事なメガネをいくつかダメにされたときは、暗澹たる気分になった。

この犬が落ち着くまで、高いメガネを買う気がしない。それに、ジンズやゾフは低価格なのに品質がいいし、品数豊富で理想のものが必ず見つかるのだ。

ちょっと前は黒か茶セルのウェリントンだったけど、ここ一年ほどはボストン型の細いメタルフレーム(ジンズの遠近両用!)を愛用している。
実は、ちょっとトレンドも意識してたりして。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事