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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

高級な万年筆とボールペンとおしゃれなノートを使って、日記を書いてみよう

仕事柄、毎日たくさん字を書いているけれど、正確にいえば“キーボードを打ってテキストデータを入力”しているわけで、ペンを使って紙に文字を書く機会はめっきり減った。

打ち合わせで軽くメモをとることはあるが、ややこしい話だったら最初からパソコンを使って自分用の議事録をつくるようにしている。ちょっと前まで、紙に赤ボールペンで書きこんでいた校正も、数年前から完全にペーパーレス化した。スケジュール管理はすべてgoogleカレンダーだし、手書きの手紙は年に一回も書かないだろう。

紙とペンはほとんど必要なくなった。でもそうなるとかえって、無性に紙とペンを使いたい。
文字を書くのが恋しいのだ。
そこで僕は、昨年から日記をつけることにした。

日記を毎日書き続ける秘訣は3つのルールを守ること

使うペンは、モンブランの万年筆かクロスの銀無垢ボールペンと決めている。
文字を書くという行為自体が非日常になりつつあるのだから、その時間を大切にしたい。だから気分が盛り上がるように、手持ちのペンの中でとりわけ高級でクラシカルな二本を使うことにしたのだ。

紙も大事。
ドイツの老舗メーカー、ロイヒトトゥルムのノートを使っている。ロイヒトトゥルムはモレスキンと似ているが、インクがにじみにくい紙質なので、万年筆で書く場合はこっちの方がいい。
寝る前、静かな部屋で日記を書くひとときは、なかなかオツなものだ。ブランデーを傾けながら……とかいうとかっこいいんだけど、僕はお酒が飲めない。

日記は以前にもつけていたが、3年目くらいで途絶えてしまった。
でも今回はもっと続ける自信がある。前回の反省を踏まえ、コツをつかんだからだ。
それは
①良いペンとノートを使うこと。
②1日5行以下にすること。
③感情をいっさい書かないこと。

特に③は重要だ。
昭和時代の女子高生じゃあるまいし、日記に嬉しいだの悲しいだの、愛してるだのみんな死んじゃえだの書いてはいけない。そんなことを書いていると、絶対にある時点で冷めて恥ずかしくなる。
それに、誰かに読まれたら取り返しがつかない。

だから極力感情を表さず、機械のように淡々と1日の出来事を綴る。
あとで肉筆の文字を読み返せば、そのときの感情はおのずと呼び起こされるもの。
それが手書き日記の良さだと思う。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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