よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

コスパ上々だけど新品感が残念な無印ショップコートを古着風に改造

ショップコートとはアメリカ発祥のワークアイテムで、太ももくらいまでの丈の裏地がついていない布帛のコート。

別名“エンジニアコート”や“ワーカーズコート”とも呼ばれるように、仕事人が作業中に自分の衣服を汚さないため、あるいは逆に、汚れた服の上から羽織って清潔感を保つためのもので、広義では医者や科学者の白衣や、コックのコートなんかも同種のアイテムとされている。

シンプルなデザインで薄手のショップコートは、春先にさらっと無造作に羽織るとかっこいい。
だから、いい具合に使い込まれた古着がいいなと思っていたのだが、なかなか適当なものが見つからなかった。

そしたら先日、無印良品で発見。
可能ならやっぱり新品の方が気分いいし、値段もアンダー5000円とコスパ上々だった。

でも買ってきていざ羽織ってみると、コレじゃない感が強かった。
おろしたての無印ショップコートは、シンプルでシレーっとしていて、良くも悪くも無味無臭。
僕はもっとこなれた感じで着たかったのだ。

なんとか着古した感じを出せないものかと考えたが、洗濯と乾燥を繰り返してエイジングするのはなかなかの手間。
もっと簡単にできないかと思い、洗濯糊を使ってみることにした。

洗濯糊を揉み込んでしわくちゃのまま干したら、こなれたショップコートに様変わり

皆さん、洗濯糊って使ったことあります?

僕はこれまでの人生で、一度も使ったことがなかった。
そもそもスーツは着ないので、パリッとノリの効いたワイシャツとは無縁の人生を歩んできた。
でもなぜか我が家には、使う予定のない洗濯糊のボトルが2本転がっている。

犯人はスライム作りに燃える小5の娘。
小学生の子供がいる人はご存知かもしれないが、スライムの主原料は洗濯糊。
それも、PVA(ポリビニルアルコール)という成分を含むものに限られている。
うちの子は前に誤ってPVAを含まない洗濯糊を買ってきてしまい、行き場なく家の片隅に転がっていたのだ。
よし、これを使おう。

さっそく手洗いで洗濯糊を揉み込んでいく。「お高くとまりやがって! こうしてやる!」という気合いとともに。
すすぎは軽めにして洗濯機で脱水し、シワを伸ばさずそのままそっと干す。

するとどうでしょう!
いい具合にしわくちゃの、味わい深いショップコートが完成した。

胸元に軽くピンバッジなんかつけて完成。
悪くないんじゃないかな? もう少し暖かくなったら着よう。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事