そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。
2020.2.21
コスパ上々だけど新品感が残念な無印ショップコートを古着風に改造
ショップコートとはアメリカ発祥のワークアイテムで、太ももくらいまでの丈の裏地がついていない布帛のコート。
別名“エンジニアコート”や“ワーカーズコート”とも呼ばれるように、仕事人が作業中に自分の衣服を汚さないため、あるいは逆に、汚れた服の上から羽織って清潔感を保つためのもので、広義では医者や科学者の白衣や、コックのコートなんかも同種のアイテムとされている。
シンプルなデザインで薄手のショップコートは、春先にさらっと無造作に羽織るとかっこいい。
だから、いい具合に使い込まれた古着がいいなと思っていたのだが、なかなか適当なものが見つからなかった。
そしたら先日、無印良品で発見。
可能ならやっぱり新品の方が気分いいし、値段もアンダー5000円とコスパ上々だった。
でも買ってきていざ羽織ってみると、コレじゃない感が強かった。
おろしたての無印ショップコートは、シンプルでシレーっとしていて、良くも悪くも無味無臭。
僕はもっとこなれた感じで着たかったのだ。
なんとか着古した感じを出せないものかと考えたが、洗濯と乾燥を繰り返してエイジングするのはなかなかの手間。
もっと簡単にできないかと思い、洗濯糊を使ってみることにした。
洗濯糊を揉み込んでしわくちゃのまま干したら、こなれたショップコートに様変わり
皆さん、洗濯糊って使ったことあります?
僕はこれまでの人生で、一度も使ったことがなかった。
そもそもスーツは着ないので、パリッとノリの効いたワイシャツとは無縁の人生を歩んできた。
でもなぜか我が家には、使う予定のない洗濯糊のボトルが2本転がっている。
犯人はスライム作りに燃える小5の娘。
小学生の子供がいる人はご存知かもしれないが、スライムの主原料は洗濯糊。
それも、PVA(ポリビニルアルコール)という成分を含むものに限られている。
うちの子は前に誤ってPVAを含まない洗濯糊を買ってきてしまい、行き場なく家の片隅に転がっていたのだ。
よし、これを使おう。
さっそく手洗いで洗濯糊を揉み込んでいく。「お高くとまりやがって! こうしてやる!」という気合いとともに。
すすぎは軽めにして洗濯機で脱水し、シワを伸ばさずそのままそっと干す。
するとどうでしょう!
いい具合にしわくちゃの、味わい深いショップコートが完成した。
胸元に軽くピンバッジなんかつけて完成。
悪くないんじゃないかな? もう少し暖かくなったら着よう。
