そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。
2020.2.7
19年間愛用し続けているベテランユーザーが語る「パネライの真実」
マニアではないので詳しいことはよくわからないけど、腕時計業界および腕時計好きの間では、「なんだかんだ言って、やっぱりロレックスでしょ」という、ここのとこずっと続いていた風潮が終わりつつあるらしい。
それでポスト・ロレックスとして、パネライの人気が再び高まっているとかいないとか(本当によくわかっていないので、自信のない書きぶりですみません)。
何を隠そう実はワタクシ、最初のパネライブームが来ていた2000年に、代表的ダイバーズモデルであるサブマーシブルを入手し、以来20年間にわたって使い続けてきたベテランユーザー。
だからこの機会に、長い付き合いのパネライについて、ヒトクサリ語りたいと思う。
これからパネライを買おうと思っている人にとって、何かの参考になればと思う次第である。
●パネライの真実その一 想像以上にデカい!
デカ厚時計ブームの火付け役だけあって、まあデカいし重い。
初めて装着した日の違和感は忘れられないけど、19年たった今もその違和感はまったく薄れていない。そのうち慣れるなんていうのは嘘だ。
つけてる日は一日中、重たい左手首が気になって仕方がない。
●パネライの真実その二 めっちゃ邪魔
パネライはつける季節を選び、一番いいのは半袖の夏。
袖口の詰まった長袖だと、干渉してどうしても邪魔なのだ。だから秋が深まる頃にパネライは冬眠に入る。歩行中いろんなところにガンガンぶつかるのもパネライの特徴。
丈夫だからビクともしないけど。
デカくて邪魔で鈍器のような腕時計だけど、やっぱりパネライは最高なのだ!
●パネライの真実その三 小柄な男には似合わない
僕は小柄な体格。バカみたいにデカくて分厚いパネライは、基本的に背が高いマッチョメンに似合う腕時計。あるいはそのゴツさを逆手に取り、あえて華奢な女性がしていても可愛い。
もっとも似合わないのは、残念ながら僕のような中途半端に小柄な男なのだ。
●パネライの真実その四 メンテしてても壊れる
機械式時計の宿命ではあるけれど、僕のパネライは5回ほど修理に出している。
2回は内部構造のトラブル、3回は表層のケースのトラブルだ。定期的にオーバーホールしていてもこんなもんだから、ノーケア・ノートラブルを期待する人には向かないかもしれない。
●パネライの真実その五 人から安物と思われる
最近はさすがに減ったけど、パネライがそこまで普及していない頃は、ディスカウントストアで買った安い時計とでも思われていたみたい。
妙にデカいしざっくりしたデザインだし、知らない人が見たら子供のおもちゃに毛が生えたもののように見えるのかもしれない。
ふう。
あれ? なんだかディスってるみたい?
ま、待ってください! 僕は本当にパネライが大好きなのだ。
好きでもなければ、こんなにデカくて邪魔で鈍器のような腕時計、ずっと使い続けるわけがない。
ここに書いたことは、みんな愛情の裏返しなのだ。なんだかんだ言って、パネライはとても魅力的なのだ!
僕のパネライ・サブマーシブルは回転ベゼル部分に目盛りがなく、ポリッシュ仕上げでピカピカしていることから、時計好きの間では「ピカサブ」と呼ばれる、1998年から2000年の間だけ製造されたやや希少なモデル。
ピカサブは中古市場でも高値で取り引きされているのだとか。
絶対に売る気はないのでよく知らんけど。
最近のパネライはユーザーの使い心地を考慮し、薄型・軽量化をはかったモデルも展開されていて、そちらが人気なのだとか。
もちろんオールドファンのために、昔ながらのデカ厚シリーズも変わらず販売されているのだけど、これから買う人には、やっぱりカル薄の方をオススメするかな。
だってね……(その一に戻る)。
