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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

チープカシオの名作にそっくりな顔をした、2,500円の電波掛け時計

2016年頃、ときのノームコアムーブメントと相まって流行となり、その後人気は落ち着いたものの、シンプルコーデのお供として文字通りスタンダードとなった“カシオスタンダード”シリーズ。
通称チープカシオ、略してチプカシ。

軽くてシンプルで安くてオシャレでタフで機能的なチプカシが、僕はかなり好きだ。

最初に買ったモデルは“これぞチプカシ”という雰囲気の、ベーシックなアナログ時計、型番MQ-24-7B2LLJFだった。
完璧なバランスのシンプルな文字盤は、いつ見ても「美しいなあ」と思う。

だけど今回ご紹介したいのは、この腕時計ではないのだ。

絶妙なデザインの“チープカシオな掛け時計”は、もっと評価されてもいいはず!

それは我が家の一室の壁にかけてある時計。

2年ほど前に家電量販店で偶然見かけ、「コレは!」と買った品である。
なぜ「コレは!」と思ったかということは、写真を見ていただければ一目瞭然。
文字盤のデザインが、MQ-24-7B2LLJFとそっくりなのである。

「掛け時計版のチプカシ見っけ」と思い、やや前のめり気味でレジに持っていった記憶がある。お値段は2,500円ほどで、やはりチプカシ並みだった。

腕時計とじっくり見比べてみると、「11」の文字間や外周の目盛、秒針の色などごく微妙な差異はあるものの、やっぱりチプカシデザインをそのまま落とし込んだものだということがわかる。

IQ-800J-1JFという型番が付されたこの掛け時計(スタンド付きで置き時計としても使える)、チプカシ譲りの端正なデザインが最大の魅力だが、セールスポイントはほかにもある。電波時計なのだ。
「特別なことは何もしませんよ」という佇まいのくせに、なかなかのやり手なのだ。

それにしても、チプカシやこの掛け時計の文字盤って、本当にユニバーサルデザインだと思う。
MoMAの永久収蔵品になってもいいくらい、もっと評価されるべきだと思うんだけどな。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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