よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

もはやタダ同然!? カインズオリジナルの598円ジェットキャップが最高

浅めのフォルムで頭にぴったりフィットするジェットキャップは、“キャンプキャップ”という別名も持つほど、アウトドアシーンと相性のいい帽子なのだそうだ。

このキャップは前から気になってはいたのだが、特に買うつもりはなかった。
もともと帽子好きな僕は、既にいろいろな種類のものを持っていて、家の帽子かけはもう収拾がつかないことになっているからだ。
頭はひとつきりなのに。

でも、ちょっとした工作のための木材を買うために訪れたカインズホームをプラプラしていたら、なかなか良さげなジェットキャップを発見。
試しにかぶってみたら、たちまち欲しくなってしまった。

薄手の生地でできていて非常に軽く、伸縮性があるので頭にぴったりフィット。
非常にシンプルだけど、ツバの淵にはリフレクターが施されていて、良いアクセントになっている。
カインズのオリジナル製品で、「ヘルメット対応キャップ」という商品名がつけられていた。

なるほど。作業用ヘルメットをかぶるとき、その下にかぶる役割を担ったキャップなのね。
でも、ヘルメットとセットにしなくても、ごくシンプルなルックスはカッコよくて、僕は単独でかぶることを想定していた。

「値段は……1589円か。さすがカインズさん、安いね」
と心の中でつぶやきながら、レジに持っていった。

意外と長く使い続けることになりがちな、安くてシンプル極みのアイテム

そしたら。
レジでピッとやってもらうと、驚くべき金額が表示されたのだ。

598円。

え? え‼︎
何かの間違いではないかと、逆に焦ってしまった。
もう一度値札を確認すると、確かに598円。
僕は相場感から、勝手に頭に数字をひとつ付け足していたようだ。

「598円でーす」とレジ係の人に言われても、まだ半信半疑。
(いやいや、それはいくらなんでも。もう少し払いますよ)
変人と思われるのはイヤなので言わなかったが、内心はそんな気持ちだった。

家に帰ってさっそくかぶってみると、本当にいい感じ。
僕の経験上、安く買ったこういうシンプルの極みのアイテムって、意外と長く使い続けるものだ。
このジェットキャップも、これから少なくても10年、いや20年くらいはかぶり続けるかもな。

これからかぶるであろう回数を予測し、値段を割ってみると……。
もはや「タダで手に入れた」と言っても過言ではないということに気づいた。

カインズ、恐るべし。

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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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