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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ガンダムにはまったく興味を持てなかった男が、今も愛でるダメロボット

ゲッターロボにはじまり、マジンガーZ、ライディーン、コン・バトラーV、そしてガンダムへと続く、巨大ロボ&合体ロボアニメ全盛期の1970年代に小学生時代を送っているにもかかわらず、それらにまったく興味が持てなかった。

友達と話を合わせるため、放送されていた当時は一通り見ていたはずなのだが、そもそも思い入れがないのでさっぱり覚えていない。
今でも同世代の人と話していると、急にガンダムの懐かし話になり、熱い論議が交わされることがある。
そうなると僕はついていけないから、一人寂しく話が終わるのを待っている。

なぜ皆が夢中になるロボットアニメについていけなかったかというと、子供ながらに勧善懲悪ものがあまり好きではなかったことと、誰かと誰かが戦って、負けた方がぶっ壊される世界観が理解できなかったのだ。
そんなことってある? 何が面白いの? 世界ってそんな感じ? 
と思っていた。

そんなヘタレな僕にも好きなロボットがいて、今でもフィギュアを家の本棚に飾り、愛でている。
ロボコンとゴンスケとダンボーだ。

そばにいてくれるだけで癒される、愛すべきダメロボット

ロボコンは漫画界の巨匠、石森(現・石ノ森)章太郎が生み出したキャラクターだ。
ロボット学校から派遣され、社会勉強として人間に尽くす使命を課されたロボコンは、失敗ばかりのダメダメロボット。
とてつもないヘマをしてはガンツ先生に叱られ、0点ばかり取っている。
原作漫画はドタバタのギャグ風味で、最後はロボコンがいつも酷い目にあわされる。
その漫画よりも僕が好きだったのは、ハートウォーミング寄りに軌道修正されていた実写版ドラマだ。
金属製の赤いロボコンのフィギュアを見ていると、今でも胸がキュンとなる。
がんばれロボコン! 次はきっと100点、ハートマークがもらえるぞ!

ゴンスケは藤子・F・不二雄によるSF漫画、「21エモン」に登場するキャラクターだ。
未来の世界の経営不振ホテル、つづれ屋を舞台とする漫画で、芋ほり専用として開発されたにもかかわらずボーイとして働くゴンスケは、口も態度も悪く、お金が大好きな最低のロボット。
客が来ないホテルの部屋を勝手に芋畑に改造するなど、しょうもないことをしでかすが、主人公の21エモンやその相棒である宇宙生物モンガーとともに宇宙旅行をするにつれ、やがて心を通わせるようになっていく。
藤子・F・不二雄は師でもある手塚治虫にならってスターシステム(漫画のキャラクターを俳優に見立て、同キャラが別作品に異なる役柄で登場する)をとっていたので、ゴンスケは「21エモン」以外にも「ウメ星デンカ」「モジャ公」「ドラえもん」など様々な藤子F作品に登場する。
人間味にあふれた、名バイプレイヤーロボットなのだ。

そしてダンボー。
こちらは、あずまきよひこの漫画「よつばと!」に登場するキャラクターだ。
正確にいうとロボットではなく、主人公である小岩井よつばの小学生の友達が、夏休みの自由課題として製作した段ボールのハリボテ。
中に人が入って動かせるようになっているので、幼いよつばは本物のロボットと思い込む。小学生もよつばの夢を壊さないように行動するため、珍騒動が巻き起こるといった内容だ。
作品の中にはわずかしか登場しなかったキャラなのだが、可愛らしい造形が受けて人気が一人歩きし、単独の写真集やカレンダー、それに充電器やフィギュアなどの商品が作られたダンボー。
僕が持っているのはアマゾンとのコラボ企画で、本来の漫画作品とは違って段ボール箱がアマゾンのものになっている。スイッチを入れると光る目がチャームポイントだ。

以上、かっこいい戦闘ロボットに入れ込めなかった僕が、今でも愛する3体のダメロボットでした。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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