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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

今どき流行らないステッカーチューンを、防災用ヘルメットに施してみたよ

少し前まで、色々な持ち物に好きなステッカーを貼って、自分なりにカスタムをするのはかっこいいことだった。
でもほんのここ数年で、なぜだか急にダサくて恥ずかしいことになっちゃったような気がする。

僕もつい2〜3年前まで、自分のマックブックに好きなバンドやブランドのステッカーをベタベタ貼っていたのだが、いまはそんなステッカーチューンを施したマックを見かけると、「うわぁ……」と思ってしまう。

ここ数年でどんな空気の変化があったのか分からないし、僕のこの感覚自体が間違っているのかもしれないけど、実際、カフェでお仲間っぽいフリーランス風の人が仕事をしている様子を観察すると、以前に比べてステッカーマックブックは減った気がする。

行き場を失ってしまった大量のステッカーを貼ってみたら気分スッキリ

以前からお気に入りのステッカーをコツコツと収集していた。
マックブックやiPad、スマホなど、ステッカーを貼れるスペースには限りがあるから、飽きたときの貼り替え用にストックしていたのだ。

だが、ステッカーチューンが恥ずかしくなってしまった今、収集したステッカーの行き場がない。

いずれまた流行る日が来るだろうから、それまで取っておこうかと思っていたのだが、部屋の片隅のとある物体が目に留まってしまった。
防災グッズとして常備してある、真っ白なヘルメットだ。

湧き上がる衝動を抑え切れず、気づいたらステッカーをベタベタと貼っていた。
万が一の備えのヘルメットだから、人目につく確率は低い。だから好きにやっちゃえばいいのだ。

貼り終えて、なんだか気分がスッキリした。
ステッカーが貼りたかったんだな、オレ。
もしも大きな地震が来たとき、ステッカーだらけのメットをかぶって避難しているおじさんを見ても、どうか笑わないでください。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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