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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

Filsonの人気トートバッグをじっくりエイジングした結果がこちら

フリーランスの立場で編集と原稿書きの仕事をしている僕は、きっちりスーツを着なければならない日なんて、年に一回あるかないか。
いや、ないな。

冠婚葬祭以外でスーツを着たのは、もう何年前だろう。
やや硬い内容の取材をする日もあるので、年がら年中思いきりカジュアルというわけにはいかないけど、大抵の場合はそこそこのジャケパンスタイルで切り抜けられる。

だから服も靴も鞄も“オンにもオフにも対応”と謳う商品には助けられている。
7〜8年前に買ったFilsonのジップトートバッグも、そんなアイテムのひとつだ。
“布製の箱に取っ手をつけました。以上”という風情のこのシンプルなバッグは、僕のようなライフスタイルの人に最適なアイテムだと思う。

まだまだ手荒く扱って、もっともっと味を出していきたい一生物のトートバッグ

ゴールドラッシュに沸く1897年のアメリカ。金の採掘メンの需要に応えるため、シアトルで設立されたアウトドアクロージングメーカーがFilsonだ。
過酷な環境下で働く屈強な男たちへ、丈夫でシンプルなアイテムを提供した創業時の精神はその後も失われず、質実剛健なプロダクツは21世紀のいまも高く評価されている。

僕のジップトートを含むほとんどのFilsonバッグは、22オンスという非常に太い糸を原料に、“綾織”と呼ばれる製法で頑丈に織り込まれたコットン100%のキャンバス生地で作られている。
生地には適度にオイルが染み込ませてあるので、強度と撥水性が高い。
ストラップに使用されるのは、馬具用の革として有名なブライドルレザーだ。

両脇と側面にポケットがついている以外は、なんの装飾も機能もないシンプルなこのバッグ。容量たっぷりなので、僕は仕事で大量の本やPCを放り込んで運ぶのに重宝している。
仕事だけではなく、プライベートな旅行やスポーツ、アウトドアなどでも使えるので一石五鳥くらいの汎用性があるバッグだ。

ひたすら頑丈さを求めた仕様だからガンガン使っても安心。むしろ少し痛めつけるように激しく扱った方がいいのかもしれない。
毎日持ち歩いているわけではないが、買って以来ずっと何も気にせず使い倒してきたFilsonちゃんは写真のようになりました。
なかなかいい味だと思いませんか?

服装やシーンだけではなく、持つ人の年齢も選ばないバッグなので、この先もずっと使い続け、もっともっと味を出していきたいと思っている。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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