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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ビッグマック好きの50歳男性は、食に対するリテラシーが低いのか

食に対する関心やリテラシーは、50歳男性の平均よりかなり低いのかもしれない。
確かに味オンチではあるが、ネガティブではないと思っている。何しろ、口に入る大概のものは美味しいと感じるタイプなのだから。

グルメな人に「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれると「肉!」と即答する。
相手はやや顔を引きつらせつつ「ほお、どんな肉が?」と重ねて聞いてくるので、「肉であればまあ何でも。強いて言えば脂が好きですが、質より量ですかねー」と答えると、相手は(ああ、かわいそうな人なんだな)という顔をする。

妻が作ってくれた料理を黙々と、あるいはうまいうまいと食べていると、妻があとから一口食べ、「ええー、ぜんぜん味が薄かった。ごめんごめん」と言いながら調味料をちょい追加する。
すると確かに少し美味くなったかな?とは思うのだが、別に元のままでも問題ないがなあと心の中で思う。
妻はそんな僕のことを、バカと思っているのか張り合いがないと思っているのか、はたまた与しやすしと思っているのか、よく分からない。

私のお墓の前にはビッグマックとコカコーラとスマイルを供えてください

そんなわけで、世のグルメ情報には関心がない。
仕事がらみで最高のお店に行けば、ちゃんと美味しいと思うし感動もするのだが、翌日のお昼はマクドナルドのビッグマックを「ああ、やっぱり美味い」と頬張っているのだ。
そう、僕にとっては最高級の寿司屋もマクドナルドもほぼ同一線状にある。
ホント、なんかすみません。

しかしこの年になると、「マクドナルド大好き! I’m lovin’ it!」とあまり大きな声で言えないのが辛い。
なんだか意識が低い人に見られるんじゃないかと心配なのだ。
ここで大々的に発表してたら世話ないんだけど。

僕は編集者あるいはライターとして、健康・家庭医学ものも得意ジャンルにしているし、ファーストフードの健康的デメリットはよくわかっているつもりだ。
だから以前と比べたらだいぶ自制はしているが、「週に一回くらいいいでしょ」と自分を納得させ、いそいそとマックへ向かう。
一番好きなのはビッグマック、次点はフィレオフィッシュ。これは高校生の頃から変わらない。

そんなにハンバーガーが好きなら、もっといい店に行けば? とも言われる。グルメバーガーも美味しいと思うけど、気軽さ、それに店内の自由な雰囲気も含めてやっぱりマクドナルド派なのだ。

娘よ。
将来、私のお墓の前にはビッグマックとコカコーラ(ゼロじゃない方)とスマイル(0円)を供えてくれたまえ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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