よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ただのマッチに見えるお香は、ちょっとした贈り物に最適かもしれない

日々、自宅で原稿書きをしているので、リラックスしつつも集中できる環境づくりをいろいろと模索している。
僕は元来けっこう気が散る性質なので、アイデアを練るときはいいが、いざ文章を書くときは歌詞がついた音楽はダメ。
書きはじめたら無音か、インストの音楽をかけるようにしている。

そして集中するための小道具として、非常に重要なのが香りだ。
前にも本コラムで、インドのお香アロマキャンドルを使っていることを書いたが、そのどちらも切らしてしまい、何か目新しいものはないかなと思って探していた。

そして見つけたのがこちら、hibiという日本のブランドのマッチ型お香だ。
マッチの頭をシュッとこすって火をつけ、炎が消えたらそのまま付属の不燃性マットの上に置いておくだけ。
軸の部分がお香になっているので、燃え尽きるまでいい香りが立ち上る。

コスパ的にちょっと疑問……。だから自宅用ではなく、プレゼントにすれば喜ばれるかな

香りにはいくつもの種類があったが、僕はレモングラスとイランイランを購入。
さっそく試してみると、強すぎず弱すぎずのちょうどいい感じで、とても品のいい香りがする。持続時間10分間ほどだった。
このお香の一番の特筆点は、やっぱりマッチ型というアイデアだろう。
シュッとこするあの感覚。最近、マッチなんてほとんど使わないので、これだけでなんだか楽しい。

これはいいものを見つけた、と褒めちぎろうと思ったのだが、ちょっと待てよ……。
8本入り(マット付き)で税込715円って、さすがにちょっとお高くないか?

だって、いつも使っているインド製のHEMのお香は、一本で小一時間は持続するし、20本入りで100〜300円程度なのだ。
インドのお香と比べるなという話かもしれないけど、それにしても。
なんなのだろう、このコスパ的に納得いかない感じは……。

わかった。
我々グリズリー世代にとってマッチとは、お水やポケットティッシュと同様にタダだというイメージが刷り込まれているからだ。
「喫茶ルノアール」とか「パチンコクラウン」とか、店名入りのものだけど。

でも、マッチをするギミックこそがこの商品の肝であるからして、なかなか悩ましい。
アンビバレンツな問題だぞ……と、頼まれてもいないのにいろいろ考えてしまった。

とりあえず、ご自宅用としてはちょっとアレだけど、何かを借りた相手にちょっとお礼をしたいときなんか、相手にプレッシャーを与えない程度の軽い贈り物にしたらおしゃれかもしれない。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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