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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

中年以降の男性が安易にイージーパンツを選ぶのはいかがなものか

皆さんお気づきのように最近のカジュアルウェア界では、ウェストにゴムが入り紐で締めるタイプのイージーパンツが増殖している。
基本的にシャツや上着に隠れて見えにくいウェスト回りだし、しようと思えばベルトも締められる仕様のために広く普及しているようだ。

イージーパンツが増えた理由は、昨今のファッショントレンドであるスポーツミックステイストとルーズフィットの影響によるものと言われている。
最近では、スーツでもイージーパンツがあるというから驚きだ。

イージーパンツはウェストがほどよい締め付け具合なので、非常に快適な履き心地であることは言うまでもない。
多くの場合、普通のパンツのように細かいインチの設定はなく、S・M・L・XLのざっくりしたサイズ展開だが、ゴムと紐によって調整できるので、多少サイズが合わなくても問題なく履ける。
だから気に入ったパンツはジャストサイズのものと、ゆったり目に履けるワンサイズ上のものとから自由に選ぶこともできる。

腹の贅肉の増殖に対して優しいイージーパンツは大変危険な服である

良いことづくめで何も文句なしに思えるイージーパンツ。
絶賛して皆さんにオススメするために本稿を書いている……、のではない。
むしろその反対で、イージーにイージーパンツを選ぶ傾向に対し、警鐘を鳴らしたいと思っているのである。

昔から、中年以降の人間がオフスタイルにゴムウェストのジャージを、オンスタイルにアジャスター付きのスラックスを選ぶようになったらお終いだと言われていたことを、よもやお忘れではあるまい。

イージーパンツは、ジャージやアジャスター付きスラックスと何ら変わらない。
腹の贅肉の増加に対して優しいパンツだから問題なのだ。
そんな僕の衣装ケースの中を確認してみたら、イージーパンツが大増殖していた。
そういえば、最近はイージーパンツ以外を履いた記憶がほとんどないかもしれない。

どうも最近やたらと体重が増えると不思議に思っていたのだ。
警鐘を鳴らさなければならないのは、まず自分に対してだったのだ。

皆さーん、イージーパンツは危険ですよー。
僕は自分を戒め、当分禁止にしようと思っています。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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