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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

原宿1987~青春時代を過ごした街へ、3時間だけのタイムトラベル

もしも1987年の原宿に3時間だけタイムトラベルできるとしたら。
懐かしの店を見て回るだろう。

駅前のテント村を冷やかしたあと、竹下通りに突入だ。立ち並ぶアイドルの生写真屋やタレントショップには目もくれず、奥までズンズン歩こう。

まずは知る人ぞ知る名ショップ、ジムズインへ。ガーゼシャツや鋲リストバンド、ライダースジャケットなど、パンク一色のお店だ。ガーゼシャツは憧れの服だったが、高校生の頃は高くて手が出せなかったな、などと懐かしむ。
でも長居は無用。なぜならここは2019年現在も変わらぬノリで営業しているから。

次は、ジムズイン近くの2階にあるシューズショップ、今はなき丸玉商会へ。
ラバーソールの品揃えが抜群で、しかも比較的手頃な価格で売っていたため、ミュージシャンにも顧客が多かった。
僕が初めてラバーソールを買ったのもこの店だった。

いつまでも変わらぬノリで営業し続ける店を一生応援したい

竹下通りを抜けたら明治通りを右に曲がるか左に曲がるか迷う。
左に行けば、セディショナリーズやワールズエンドの服を取り揃えたア ストア ロボットがある。

でも今日はやっぱり右に。

ラフォーレを越え、表参道の信号を渡ったら左の路地に入る。
モッズショップのスイッチを目指すのだ。

ここではよく、ロンズデールのTシャツとか買ったな。東京のモッズショップはこのスイッチと、並木橋にあるレディ・ステディ・ゴーが有名で、僕はどちらかというとスイッチ派だった。どちらの店も、今はもうない。

ア ストア ロボットをパスしたのは、ジムズインと同様、現在も当時と変わらぬ雰囲気で営業しているからだ。実は、今でもたまに買い物にいく。トレンドがどんどん移り変わる中で営業し続けるのは大変だと思うけど、本当に頑張って、せめて僕が死ぬ頃までは続けてほしいと思う。

まだまだ行きたい店がたくさんあるけれど、残念ながら時間切れだ。
次は新宿で5時間のタイムトラベルをしよう。ただの妄想なのだが。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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