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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

アメリカンアパレルのペラペラなドラムバッグを使い続ける理由

1989年にロサンジェルスで創業したアメリカンアパレルは、メイド・イン・USAにこだわりながら非常に安い価格でベーシックなアイテムを販売するブランドとして人気を集めた。
ファストファッションが急拡大した00年代中頃からは日本にも進出。
一時は東京・大阪の複数の実店舗とオンラインショップがかなり賑わっていた。

しかし、2012年頃から経営状態が悪化していく。
折も折、2014年には創業者であるカナダ人経営者がセクハラ問題で解雇になり(何やってんだか)、2015〜16年には二度にわたり破産申請を行うなど、どんどん苦境に追いやられていった。
その頃から世界中の店舗が次々と閉店し、日本からも2016年をもって全店撤退してしまった。

現在はライバル社に身売りし、本国で細々とブランド事業を継続中。
日本でも通販サイトなどで購入はできるのだが、アメアパの真骨頂はやっぱり実店舗だったと思う。
蛍光色など派手なカラーの商品が多いアメアパは、ショップの中が独特の明るい雰囲気に満たされていた。
並べられた商品を眺めていると楽しくなってきて、購買意欲が湧いてくるのだ。
日本でも実店舗の復活が待たれる。

濡れても汚れても全然構わない実用最優先のシンプルなバッグ

僕はファストファッション系の中ではアメリカンアパレルが一番面白いと思っていたので、ベーシックな服が欲しいときにはまずチェックしていた。
その頃に買った品のほとんどは着倒した末に処分してしまったが、今でも毎週のように愛用しつづけているアイテムがある。
シンプルなドラムバッグだ。

2000年代中頃、このドラムバッグは静かなブームになった。本当にひそやかなブームだったので、知る人はあまり多くないだろう。
ヨーロッパのおしゃれ感度の高い若者を中心に、外しアイテムとして日常使いすることが流行ったのだ。
当時の海外ストリートスナップなどにはよく写っていた。

僕も当時、同じものを購入。
日常使いというよりも、ジムに行ったりするときに使っていた。
そして今も趣味の剣道の稽古に行くとき、剣道着や袴を入れるのに使っているのだ。

このバッグの最大の長所は、安っぽい作りだというところ。
ポケットなんか何もついていないただのシンプルな袋。それもペラッペラのナイロン製なので濡れてもすぐに乾く。
だからスポーツ後に汗にまみれた服なんか、気にせずどんどん入れられる。
服と一緒にバッグ自体も洗濯機に放り込んで洗ってしまえばいいので簡単なのだ。

15年以上使っているけど、特にどこも破れたりほつれたりはしていないので、まだまだいけそう。
でも傷んで使えなくなる前にもうひとつ買いたいから、アメアパ復活しないかな。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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