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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

大人の男が堂々と持てる肩かけバッグ~ブックトートのススメ

トートバッグはあまり持ちたくない。だってあれ、女性的じゃない?
短めハンドルの初期型L.L.ビーントートのように、手持ちでぶら下げるのならまだいいが、長めのハンドルを肩にかけて歩くスタイルはいただけない。
ナヨッとした雰囲気が醸し出されて、大人の男にはよろしくないと思うのです。

でも何にでも例外はある。
肩かけを前提でつくられたバッグでも、オススメできるものがある。

それは“ブックトート”。重い本を運ぶことを目的とするバッグで、おしゃれ系の書店でよく売っているやつだ。
僕は四つほど、肩かけタイプのトートバッグを持っている。

本や雑誌などの出版物をフィールドに仕事をしているわけだし、本が好きなので何冊も持ち歩くことが多いから、ブックトートは例外的にOK! と、自分で決めているのだ。
ストリートおじさんはややこしいのだ。

ブックトートの文化は、ビートカルチャーを生み出したサンフランシスコの伝説的な書店であるシティライツブックストアとか、アート系が充実したニューヨークの老舗書店ストランドブックストア、世界でもっとも美しい書店のひとつとして必ず名前があがるロンドンのドーントブックスなど、観光地ともなっている世界の有名書店のオリジナルバッグがお土産として人気を集めたことから広まった。

ペンギンブックスからディスクユニオンまで。これならOKな4種のブックトート

僕が所有しているブックトートは4種類。

(左上)
イギリスの老舗出版社であるペンギンブックスのキャラクターがデザインされたもの。ストランドブックストアで買ったので、一緒に買ったストランドのワッペンをつけている。

(右上)
そのストランドブックストアのお店がイラストで描かれたトート。ストランドで買ったわけではなく、数年前の日本の某ドーナツ店のキャンペーン景品。なんとマニアックなことをやるのだと嬉しくなった僕は、一生懸命ドーナツを食べてせっせとポイントを集めた。

(左下)
“世界でもっとも残酷な絵本作家”と呼ばれるエドワード・ゴーリーの名作『うろんな客』が描かれたトート。ゴーリーのフェアをやっていたヴィレッジヴァンガードで入手した。持っているブックトートの中では一番大きいので、大判の雑誌などとともに色校正紙とか大きなサイズのものを持ち運ぶときに便利。

(右下)
そして最近、蔦屋書店で買ったブックトート。レコード・CDショップを運営するディスクユニオンがつくった品で、本にまつわる数種類のデザインがラインナップされている。ディスクユニオン製だけあって、アナログレコードもぴったり入るサイズなのがいいところ。

僕がこうしたブックトートを肩かけで使うときに決めているルールは、“本や雑誌を持ち歩く場合にのみ”ということ。
あくまでも本来の目的通りに使わないと、気持ちがザワザワするのだ。
誰もそんなこと気にしちゃいないだろうし、我ながら面倒くせえなあと思うけど。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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