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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

剣道部出身者注目! FREEMANS SPORTING CLUBの刺し子ジャケットのススメ

三年前の秋、二子玉川のFREEMANS SPORTING CLUB(F.S.C.)というショップで買った、刺し子(さしこ)織りのワークジャケットが絶妙の経年変化をしつつあり、今年あたり絶好調となりそうな予感がする。

僕は本来、和物テイストの服はあんまり好きじゃない。
日本の伝統素材である刺し子は完璧な和物だけど、なぜかこればかりは店頭でグッときて、衝動買いしてしまった。
そのうえ、とても気に入ってしばしば着ていたら、徐々にいい感じの色落ちをしてきたのだ。

剣道が趣味の僕にとって、道着にも使われる刺し子はもともとなじみ深い素材だった。
武道で刺し子の道着を着るのには理由がある。分厚く丈夫な生地が怪我を防いでくれるのと、汗をよく吸ってくれて乾燥も早いからだ。

昔ながらの生地なのに現代のハイテク素材と似た機能を持つ刺し子は、手洗いであれば洗濯もOKなので、日常使いのジャケットの素材としてもかなり優れていると思う。

生デニムを育てる感覚に似た刺し子ジャケット。でもこれ以上の色落ちには注意が必要

買った当初は生地がごわごわで染色も濃く、ちょっと着にくかったこのジャケット。

でも刺し子は使い込んでいくうちに、いい感じで落ち着いていくことを経験上知っていたので、黙って着ていた。
そしてここにきて、ようやく花開きつつある。

これはデニムを生から育てていく感覚に似ている。
多分これから5年くらいは、いい破れ具合で着こなしていけると思うのだが、注意すべきはその先だ。

剣道着の経験によると、ここからさらに色落ちしたら明るい水色になってしまうはず。
だからある程度まで育ったら、今度はそれ以上色落ちをしないように注意して着なければならないだろう。

愛すべきFREEMANS SPORTING CLUBの刺し子ジャケット。
HPをチェックして見たら、別タイプがまだ売られているようなので、気になる方はぜひ買って育ててみるといいと思います。剣道部出身者は特に。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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