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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

いつの間にか復活していたリーバイス・スタプレストを今さら入手に走った話

うっかりしていた。
スタプレスト(通称「スタプレ」)が復活していたとは……。

スタプレというのは、リーバイスが1964年に発売したウールトラウザー。
アイロンをかけなくてもシワにならず、センタープレスの折り目が常にキープされるのが特長の、大人も胸を張って穿ける綺麗め系パンツである。

1960年代のモッズやスキンヘッズの愛用品なので、そこらへんのカルチャーが大好きな僕にとって、強い思い入れがある品なのだ。
でもスタプレは、モッズやスキンヘッズ専用ではない。
アイビー系の人にも支持されたし、そのほかあらゆるジャンルの人から幅広く愛用された。
そこらへんは、同じリーバイスの501なんかに相通ずるものがある。

ところでリーバイスというブランドは気まぐれなのか、突然生産を中止したり復活したり、またまったく見かけなくなったりと、スタプレの供給は極めて不安定。

セレクトショップなどで普通に売っていた1990年代後半〜2000年代、僕はよく買って穿いていたのだが、ここ10年ほどはまったく見られなくなった。
本格的に生産終了してしまったかと残念に思いつつ、他のブランドのよく似た商品などを使ってお茶を濁していた。

ところが、また復活していたのだ。
しかも去年。
僕はうかつにも見過ごしていた。

今回の復活では、「502」という昔ながらの自然なテーパードシルエットタイプに加え、「517」という今っぽいワイドシルエットもリリースされていた。
なかなかやりますね。リーバイスさん。

1960年代オリジナルスキンズ風を気取るなら、くるぶし2cm上まで丈を詰めるべし

遅ればせながら復活に気づいた僕は、すぐに入手すべく都内のリーバイスショップへ走った。ところが売っていないのです。
ライトオンも三軒ほど回ってみたが、ワイドシルエットの「517」は置いてあるものの、僕が欲しい「502」はどこにもない。

しまった、手遅れだったか!
でもネットがある! 便利な時代でよかった!

本当は、パンツは店頭できちんと試着してから買う主義だ。
日々刻々と変化するウェストサイズが心配だからだが、この際、背に腹はかえられぬ。

宅配便で届いたスタプレのウェストサイズはぴったりだった。よかった。
でも、返す刀ですぐに近所のお直し屋さんへ持っていく。
丈をつめてもらうのだ。
僕はスタプレを1960年代のオリジナルスキンズ風に穿きたいので、丈は思い切り短めに、くるぶしより2cmくらい上まで詰めることにしている。
当時のスキンズは、自慢のドクターマーチンブーツが目立つよう、パンツ丈をそのくらいまで上げていたのだ。

出来上がったスタプレに、さっそくマーチンを合わせてみると……。
やっぱり実にいいと思います。
早くこれ穿いて出かけたいな!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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