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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

“備え”こそ男の生きる道。極小ドライバーセットが本能を刺激する

マルチツールは男のロマン……。
異論は受け付けておりません。
いざというときのために備えておくというのは、男の本能なのかもしれない。

思い出すのは『北の国から ’87初恋』の名シーンだ。
中学生の純はある日の学校帰り、自転車のチェーンが外れて困っている美しい少女(れいちゃん=横山めぐみ)を見かけて声をかける。
「直してやろうか」
キーホルダーにつけて常備している道具を取り出し、さっと直してみせる純。
「できたよ」
「ありがとう!」

クゥー!!! これこれ、これよ。コレである。
こういう瞬間のために、男は生きているのだ。
同世代のおっさんであれば、激しく共感でしょ? 
でしょ?

そしてこの“準備本能”は、年齢とともに、より研ぎ澄まされていく。
ヴィクトリノックスのマルチツールなんて、万国共通でおじさんの大好物。
搭載された機能のうち、実際に使うのはごく一部だけだと思うけど、あれこそまさしく男の“準備本能”を具現化したものなのだ。

持っているだけで興奮と満足が得られる、小さな小さな男の道具

で、先日ホームセンターをパトロールしていたら、我が本能に響くアイテムに遭遇した。
ナイフ型マルチツールとしては、おそらく最小クラスだろう。
ベストツールという会社の「Chibi Rib」である。
その名の通り、手の平にちょこんと乗る、小さな小さなドライバーセットだ。

大・中・小のプラスドライバー、中・小のマイナスドライバー、ピン、そして時計のバンド外しが組み込まれている。
これは、すごくいいものです!

持っているだけで興奮そして満足! これからは常に持ち歩くことにしよう。
いつどこで、自転車のチェーンが外れて困っている人や、腕時計のバンドが外れなくて困っている人と遭遇するかもわからないし。

おっさんとは難儀なものだ。
こういうの、まさか僕だけじゃないよね!?

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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