2020.7.9
「非公開の店」その4~秘密の扉の向こうに素晴らしいワインと料理のペアリングが待っている〜アリゴトゥール
今までの非公開のお店同様、こちらもなかなかの強者でございます。
完全紹介制のこのお店、住所は調べるとわかるので、何とかなるのではと突撃しようと試みてもエレベーターでお店の階のボタンが押せずにあえなく玉砕します。
でもその扉さえ開けば、おいしい料理に天才的とも言えるワインペアリング、何時間でも居たくなる心地よさ、本当に素晴らしい時間を過ごすことができるのです。
そんなお店「アリゴトゥール」は、7〜8人のカウンターと3〜4人の個室。
できればカウンターを陣取りたいですね。
だって、このお店に来るほとんどの人はお料理とワインがおいしいからだけでなく、店主の“田口浩平さんのお店だから”なのですから。
さて、前置きはこのくらいにしてお料理をご紹介しましょう。
最初に出されたのが「仔牛のコンソメスープ」でした。
蓋を開けると「え、コーヒー?」と間違えるほどの色。
「トリプルコンソメ」と言って、なんと仕込みに5日間かけているそうです。
「コンソメは横着できない」と言う田口さん。
香りが詰まって初めて裏ごしができ、その裏ごしは油などの不純物を取りきるまで徹底して行うそう。
お料理したことがあればわかると思いますが、あの油の玉をひとつ残らず取るのは気が遠くなる作業です。
そうやって手間暇かけて作ったコンソメは次元が違いました。
しかもここはワインバー、余ってしまったとってもおいしい赤ワインが入っているので、それはそれは香りとコクが豊かです。
コンソメで胃袋をガッツリ掴まれたのは久しぶり。
二品目は富山県産の「白子」。
ほんのり桜色のこんなにキレイな白子も久々です。
見るからに新鮮で上質とわかります。
「これだけ状態が良いと湯通しすらする必要がない。いじる必要がないものは何もしません」と言われるとおり、プリップリでトゥルントゥルン。
合わせたのはデザートワインとして飲むことが多い「ソーテルヌ」。
こんな前半戦に持ってくるとは大胆ですが、その理由は、お腹が空いている、すなわち低血糖な状態にほんの少し糖分を足すと気持ちが落ち着き食欲が増してくるからなんですって。
はい、おっしゃる通りです!
その白子を今度は揚げてきました。
サクッの後にくるトロットロがたまりません。
これにはワインと同じくらい種類が豊富なシェリー酒を。
白子のおかげでクイっといっちゃいました。