よみタイ

高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」

「非公開の店」その4~秘密の扉の向こうに素晴らしいワインと料理のペアリングが待っている〜アリゴトゥール

鯵の燻製→アヒージョ→マグロのタルタルとカラスミの順にいただきます
鯵の燻製→アヒージョ→マグロのタルタルとカラスミの順にいただきます

ここでシャンパーニュが注がれシュワシュワで一旦リセットしたところに、手前から順に食べるよう指定された次の料理。

まずは鯵の燻製です。
来店と同時に仕込みをするので、おろしたての鯵の食感がまた格別。
ところが目的は鯵を食べるというより口内を燻製の香りで充満させることだそうです。

そこで、真ん中のアヒージョへ。
するとアンチョビオイルの香りと油がプラスされ、口の中がいい感じに仕上がってくる。
ここで真打ちの「マグロのタルタルとカラスミ」をひと口で。

この順番で食べると生臭さを感じるはずのこの組み合わせが、あら不思議、うまみの共演となったのです。

家で作れない「海老のサラダ仕立て」
家で作れない「海老のサラダ仕立て」

なんとも粋なことしてくれるじゃないですか。

さらにこの余韻を残したままオマールエビにつなげると、甲殻類独特の香りとうまみ、そして細かく刻んだパプリカやズッキーニなどの野菜の食感が、ますます口内に複雑味をもたらす。
これは音楽に例えるとソロから二重奏、三重奏、四重奏と音が重なり広がっていくのと同じ感じです。

そのハーモニーたるや!

もうひとりの厨房で腕をふるう山本さんが自慢げに持ってきた北陸の「黒アワビ」
もうひとりの厨房で腕をふるう山本さんが自慢げに持ってきた北陸の「黒アワビ」

まだまだ海の幸が続きます。

これまた人を喜ばす巨大な黒アワビがやってきました。
これを見て雄叫びをあげない人がいるのでしょうか、というくらい大きくて分厚いです。

さて、これがいったいどんな料理になってくるのかというと……

黒アワビに赤ワイン? と思ったあなた、考えが変わります
黒アワビに赤ワイン? と思ったあなた、考えが変わります

こうなりました。

歯切れが良い加減のレアに火が入った磯の香りいっぱいの立派な黒アワビがとろんとした青海苔餡をまとうと、シンプルで素朴だけど贅沢な味わいが舌と頭を覚醒させ、海の幸ってこういうことなのだと実感します。

1 2 3 4

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

週間ランキング 今読まれているホットな記事