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元気とおいしさに溢れる最高のシンガポールチキンライス!~海南鶏飯食堂3

「海南鶏飯」はチキン、ライス、スープがついて、S/750円、M/950円、L/1,300円(ディナータイム)。写真はMサイズ
「海南鶏飯」はチキン、ライス、スープがついて、S/750円、M/950円、L/1,300円(ディナータイム)。写真はMサイズ

こちらが看板料理の「海南鶏飯」です。

「シンガポールでも、お店によって一軒一軒、味が違うので、100軒以上のお店で食べ、“僕らの海南鶏飯”を創りあげました」

基本的なレシピはあれど、厨房の温度が違うだけで味も変わるので、常に進化し続けなければなりません。シンプルなだけに難しい料理なのです。
こちらの鶏は胸肉なのにしっとり仕上がっていて、いわゆる鶏臭さは一切ありません。お湯にネギと生姜とニンニクを入れて76℃で1時間程度茹でただけなのに、本当に不思議。

香味野菜と鶏油と鶏スープで炊いたジャスミンライスは、炊きたてから少し時間が経って水分があらかた飛んだあたりがいちばんおいしいらしいですよ。
「炊きたては香りがいいのですがちょっとウエットなんですよ。それよりも水分が飛んで歯ごたえが出たくらいが僕は好きですね」とシローさん。

そして試行錯誤して完成させた「甘醤油」「生姜」「チリ」のソース。
本当にどれも鶏肉にぴったりの味ですが、私は多めのチリに甘醤油を混ぜてオリジナルソースにしています。
そうそう、チリソースをジャスミンライスにかけて混ぜるだけで、2杯はイケます。
ちなみにソースとライスはお代わり自由!

現場が大好きだとおっしゃるシローさんの笑顔が欠乏してくるとお店に訪れたくなるのです
現場が大好きだとおっしゃるシローさんの笑顔が欠乏してくるとお店に訪れたくなるのです

「レストランの語源はラテン語の〝restauro=回復する、元の状態に戻す〟に由来し、フランス語の〝restaurer=回復する〟という動詞ができ、restaurerする場所という意味でrestaurantという言葉になったと知り、僕はお店に来ていただいたお客さまに元気になってもらうのがいちばんだ、と思うようになりました。年に1~2回、いろいろあって落ち込んでいたけどここに来て元気になったよ、と言われることがあって、その時は涙が出るほど嬉しいんです」とシローさん。

私を含め、お客さまはシローさんのファンが多い。
その証拠にあちこちでシローさんと写真を撮っています。
その際はシャキ〜ンと自撮り棒を取り出し、カシャカシャカシャっとタイマー連写、と同時に笑い声が起こる。

食事を終えて、「おいしかった! ありがとう」の言葉と満面の笑顔でお店を出ます。
見送るシローさんは「後ろから元気で頑張ってと“気”を送ってます」と最高の笑顔。
ありがとう、その“気”をいただき、明日も元気に頑張ります。

あぁ、本当にいいお店です!

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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