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高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」
「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

11月にはお鮨屋さんに変わってしまう、おいしい秘密基地 〜くずし割烹おにかい〜

まずはじめにお断りしておかなければなりません。
ここは2019年11月にオープン予定でお鮨屋さんに変わってしまうのです。
なのでご紹介するのを一瞬ためらったのですが、こんなに楽しくておいしくて、しかも知る人ぞ知る秘密のお店をこの連載から外すわけにはまいりません。

まだクローズまで1ヶ月半(もしかしたら2ヶ月)あるし、それに話を訊くと次のお鮨屋さんもどうやらおもしろそうなので、場所を知っておくという意味でもいいのではないかと。

ほんと〜にちっちゃい表札で、ほぼ見過ごします
ほんと〜にちっちゃい表札で、ほぼ見過ごします

ここはお店探しから楽しさが始まります。
中目黒駅から中目黒商店街を歩くこと5〜6分。左手にファミマを見ながら次の角を左に曲がって4軒目に築100年の古民家があります。
1階が系列店のてんぷら屋さん「みやしろ」で、その2階だから「おにかい」って名前。
その勝手口みたいな扉の横にちっちゃい表札が貼ってあります。

これを見つけた時に「あった! これか〜」というちょっとした感動があり、扉を開けるとみやしろの店員さんから「いらっしゃい! 靴を脱いで二階へおあがりください」と声がかかり、階段を昇ると目に入るのは居心地良さげなカウンターと奥にある半個室。

掘りごたつスタイルのL字カウンター
掘りごたつスタイルのL字カウンター

ここを切り盛りするのは鈴木拓哉さん。
元々はみやしろの個室にする予定だったのが、オペレーション的に難しいのと厨房機材を置くスペースがないという理由で割烹にしたそうです。
オープンして3〜4カ月はみやしろのお客さまか知人しか来なかったとおっしゃいますが、そりゃ、そうですよ。だって看板もなく、誰もお店だと思わないですから!

でも一度訪れた人は必ずリピートするので、人が人を呼び、気がつけば常に満席状態で、お客様の年齢層も20〜70代と幅広いんです。

1日10個は作るという2大名物のひとつ「ニラ玉スフレ(750円)」
1日10個は作るという2大名物のひとつ「ニラ玉スフレ(750円)」

このお店のいちばん人気は「ニラ玉スフレ」。
フランスのモン・サン=ミッシェルのオムレツをヒントに考案した、ニラ醤油がたっぷりかかったふわっふわの卵焼きです。
たった2個の卵がメレンゲにすることでびっくりするほど厚みがでる。
食べるとふわっふわ、そしてとろける。
バターではなく胡麻油を使っているので完全に和風味。
スフレ自体には味は一切入れていないので、しっかり濃いめのニラ醤油がちょうどいい。

「ニラが苦手と言われ、カニあんかけにしたこともあります」と鈴木さん。それもおいしそう!

誰もが「うわ〜」と言ってしまう瞬間です
誰もが「うわ〜」と言ってしまう瞬間です

とにかくみんなが焼いている写真を撮るのです。
シャッター音が鳴り響くのは、半分に折ろうとして半熟の卵がとろんと押し出されるこの時からお皿に盛り付けるまで。すると横目で見ている他のお客さまが「こっちもお願いします」とオーダーしてしまうのです。

気持ちはわかる! これは頼みたくなりますもの!

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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