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アルテミス計画を徹底解説!【中編】月面基地から火星を目指す! その先に広がる世界とは

1日10分、毎日更新されるポッドキャスト「宇宙ばなし」が人気を呼び、注目を集める佐々木亮さん。

この連載では、独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わった経験と、天文学分野で博士号を取得した知見を活かし、最新の宇宙トピックを「酒のつまみの話」になるくらい親しみやすく解説します。そして、宇宙と同じくらいお酒も愛する佐々木さんが、記事にあわせておすすめの一杯もピックアップ。

前回は、アルテミス計画と、その背景にある国際情勢についての解説でした。今回はこのミッションが何を目指しているのか、そしてその先にはどんな未来が待っているのか?を紹介します。

第25回「アルテミス計画とその先の世界」のはなし

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アポロ計画から半世紀以上が経ち、その意思を継いだ「アルテミス計画」によって、まさに今人類が月に到達しようとしています。
人類の月面到達が約60年以上もの間実現しなかった背景にある国際情勢や歴史的要因については、前回の記事で紹介しました。

今回はアルテミス計画で目指す科学研究や、その先にある火星へのミッションについて紹介していきます。これを知っておくと、今後の宇宙開発の方向性まで見えてくるので、未来の宇宙ニュースを先取りしちゃいましょう。

月面基地のイメージ図 iStock.com/3000ad
月面基地のイメージ図 iStock.com/3000ad

アルテミス計画で追い求める科学成果は様々ですが、一番大きな目的の一つは「資源探査」です。
月に期待されている資源は様々ですが、特に注目されているのは「水」です。この連載の中でも、約200年にわたる月の水論争を紹介しました。現在は「水は氷の形で存在する」という結論に落ち着いています。

月に水があることで、ワクワクする未来が見えてきます。それは「月に住むことができるかも」ということです。

人間などの生物にとって水は重要であり、その確保が月面での長期滞在の可否を決めると言っても過言ではないです。また、月に住むとなれば栄養素も重要となってくる訳ですが、水があれば月面で植物の栽培などもできるようになるかもしれません。

そのためには、どの程度の量があり、どうやって採取するのかを明らかにして、水の活用方法を具体的にしていくことが大事になってきますね。月という特殊な環境だからこそ、水を採取するというシンプルそうに見えるミッションにもハードルがあがります。

観測によって示された、月面の氷が存在する可能性がある領域  画像提供:NASA
観測によって示された、月面の氷が存在する可能性がある領域  画像提供:NASA

アルテミス計画では、月面の資源、特に水の採取と月の居住を同時に検証しようとする取り組みが進んでいます。簡単に言えば、居住可能な拠点「ベースキャンプ」を建造して、そこで水の採取など様々な実験を行っていくものです。

この拠点は、「水が豊富にありそうな場所」、かつ太陽の光を常に受けることができる、つまり「太陽光のエネルギーを取得しやすい場所」という条件で、月の南極付近が検討されています。
一つ前の記事で紹介した月の周りに構築される宇宙ステーション「ゲートウェイ」と合わせると、月上空と月面の両方に人がいるという、面白い未来が待っています。

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佐々木亮

ささき・りょう
理学博士。独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わり、その経験と知見を生かし、ポッドキャスト「佐々木亮の宇宙ばなし」を毎日配信している。旬の宇宙トピックスを親しみやすく解説する内容で注目を集め、Apple Podcast日本ランキング3位を達成。第3回Japan Podcast Awardsも受賞する。現在はデータサイエンティスト、中央大学講師として活動している。
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X @_ryo_astro  

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