2024.8.9

毎日が暑すぎる！宇宙から見る地球温暖化とコロナ禍のちょっと面白い関係性

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宇宙から見ることとはちょっと別ですが、地球温暖化について面白い質問を最近受けました。
それは「太陽の活動が活発になっていることが地球温暖化に影響を与えているのですか？」というものです。

2024年5月に発生した太陽フレアによって、世界中でオーロラが見られたことは記憶に新しいと思います。太陽以外の星も含めてフレアの研究をしてたこともあり、私のところには様々な質問が寄せられますが、この質問もそのうちの一つでした。

答えは〝NO″です。
もちろん、地球上の気温は太陽に左右されますし、太陽の活動性が地球環境に全く影響を与えないとも言い切れません。しかし、地球温暖化には様々な要因が関連してくると思われているため、太陽の活動が活発だから地球温暖化が進むとは言えそうにありません。

今、実際に太陽は最も活動的な時期を迎えています。これは年々活発になっているわけではなく、11年の周期で活発な時期とそうでない時期を繰り返しています。ただし、この性質は約1000年前から確認できているものなので、太陽の活動性が地球の温暖化と直接的に関連しているとは考えにくいでしょう。

宇宙から地球を観測する話に戻りましょう。
人工衛星「いぶき」によって地球温暖化の進行度合いが明らかになりました。
一方でこの事実を知るために、わざわざ宇宙から見る必要はあるのか？と思った人もいるかもしれません。　けれど「いぶき」に限らず、人工衛星を用いて地球を観測することには、大きな利点があるんです。

それは「地球全体を一定のペースで網羅的に観測できる」ということです。特定の場所のある瞬間の温室効果ガスがどの程度なのかは、飛行機やドローン、センサーなどで地上や上空のデータを取得すれば比較的容易に知ることができます。しかし、地球表面のほぼ全域のデータを継続的にほしいとなるとこの方法では難しいです。

「いぶき」は約100分で地球を一周する軌道を飛んでいます。低軌道と呼ばれる、比較的低い場所です。その間、常に地球を観測し続けているため、地球全体のデータを一定のペースで取り続けることができるのです。
長期的な地球の変化を、精度良く科学的に証明するためには、「いぶき」のように一定のペースで偏りなく大量にデータを取得することが重要なため、これは宇宙からしかできない検証だったと言えるわけです。

衛星はそれぞれ目的に応じた軌道が選択され、代表的なものが低軌道、中軌道、静止（高）軌道衛星の3種。いぶきはこのうちの低軌道衛星となる。イラスト／加藤豊

このように、人工衛星を使って地球を観察することの重要性と、今年の夏のこの暑さについて理解が深まれば嬉しいです。

これから私たちの身の回りの生活はさらに宇宙からのサポートがなくてはならないものになると思うので、その仕組みと役割を少しずつ知っていくと、世の中の最先端から取り残されずにすみそうです。
人工衛星を使った実験やサービスは様々あるので、チャンスがあればまた紹介しようと思います。

この記事のお供はこのお酒！

静岡県三島市にあるNatural Roots Studioの「Marmalade（マーマレード）」。太陽光発電を使い、持続可能なビールを残したい！と考えて、建設された工場で製造されています。　地球環境をモニターする今回の話との相性バッチリだと思いチョイス。グァバ・ピーチ感満載のフルーツサワーで、すっきりとした酸味がある非常に飲みやすい一杯です。