2020.11.8
レンタル料は約1億円! 超高額&省エネ動物のパンダが日本にいる理由
そもそも皆さんが「パンダ」と呼んでいる動物は正確には「ジャイアントパンダ」のこと。
もともとは、パンダといえばレッサーパンダを指していました。しかし、後にジャイアントパンダが発見され、パンダといえば、あの白黒の生き物の方がイメージされるようになっていったのです。
本稿においてもパンダ=ジャイアントパンダとして話を進めます。
パンダの学名は「Ailuropoda melanoleuca」。直訳すると、「猫のような足をした白と黒の動物」という意味です。
学名に白黒が入るほど、パンダの特徴といえばあの体毛の配色。
この理由については諸説あり、まだ完全な解明には至っていません。
説1:カムフラージュ
研究者の間でもっとも一般的に言われてきたのが「カムフラージュ説」です。
身体の白い部分は雪に同化し、黒い部分は木の影になる。パンダの生息地域である深い竹林や、雪に覆われた山林で外敵から身を隠すことができるという説です。
しかし現在、この説には疑問視する声も出てきています。
あの姿は森の中では異質で、果たして本当にカムフラージュになっているのか疑わしいこと。そして、そもそもパンダの生息地域に天敵らしい天敵は存在せず、稀に弱ったパンダや子パンダがゴールデンキャットに襲われるくらいであることが、その理由です。
説2:威嚇やアピール(コミュニケーション)
「いや! カムフラージュじゃない、逆だ! 目立つためだ」という説も浮上してきました。
目の黒い部分は強さの象徴で他の個体を威嚇したり、繁殖期に相手へのアピールになったりしているのではという考えです。
目や耳など目立つところが黒いことから、パンダ同士の個体間の識別やコミュニケーションの役に立っているのでは、ともいわれます。
説3:冷え対策
他には「冷え対策説」なるものもあります。
冷えやすい部分である耳、目、肩、後ろ足、前足が黒くなっていることから、ここに太陽の光を吸収させて保護しているのではないか、という考えです。
しかし、個人的に私はこの説には懐疑的です。間違って記憶されている方も多いのですが、パンダの尻尾は白。末端が冷えて困るなら尻尾も黒くないとおかしいのでは? と思います。