【4位】不気味な植物と意外すぎる訪問者／「六十路通過道中」​​（群ようこ）

群ようこさんの最新エッセイ連載「六十路通過道中」。
27年ぶりの引っ越しにともなう不要品整理。溜まりに溜まったものを処分し厳選するなかで、残したもの、そばに置いておきたいものとは。そして、来るべき七十代へ向けて、すること、しないこととは……。
愛猫・しいを見送りひとり暮らしとなった群さんの、ささやかながらも豊かな日常時間をめぐるエッセイです。

「第16回　不気味な植物と意外すぎる訪問者」（6月28日配信）は、庭の雑草抜きをするエピソード。

　ヤブガラシについては、日々観察することにして、まずうちの建物の周りを歩いて、雑草があると片っ端から抜いていった。昨年よりも生えている場所が多いような気がした。向こうも抜かれたことに腹を立てて、より繁殖力が強くなったのだろうか。でも何事も早めにやっておけばという思いで、袋を片手に抜いていった。塀の上からこちらの様子をうかがっているヤブガラシを、
「こっちに来るなよ」
　と横目でにらみつけながら、元気に生長しているドクダミやシダを抜いていったら、隣家との塀のところに二十センチほどのヤブガラシが、ちゃっかりと生えていた。

たくましいのは植物だけでなく、ある日近所のスーパーへ行く途中にアライグマに遭遇し……。

岩渕俊彦さんによるアライグマの版画にもご注目ください！