よみタイ

読書週間が始まって75年。今すぐ読みたい「大人の社会勉強」ができるオススメ3冊

風俗で働く女性たちの事情と生き様に触れる

『限界風俗嬢』は7人の風俗嬢へのインタビューをまとめたノンフィクション。著者は、『新版 家族喰い——尼崎連続変死事件の真相』『震災風俗嬢』『全告白 後妻業の女』の著書があるノンフィクションライターの小野一光さんです。

「よみタイ」特集企画の本橋信宏氏(『全裸監督 村西とおる伝』の著者)との対談で、「押さないで引く」「いかに相手に圧を与えないようにするか」がインタビューのコツだと語っていた著者の小野さん。
その対話術は本書の取材でも生かされ、毒親との関係や夫とのセックスレス、経済的DVなどなど、さまざまな事情で風俗の仕事を選んだ女性たちが、自らの思いを赤裸々に吐露しています。

本書が通常の風俗インタビューやルポと一線を画すのは、著者が取材相手の女性たちと信頼関係を築きながら、長期間、複数回に渡って取材をしているところ。
中には20年ぶりに再会する女性も登場するなど、数ヶ月、数年という長い時間軸で風俗嬢たちのライフヒストリーを追うことによって、現代女性が抱える「生と性」の現実が生々しくあぶり出されています。

風俗店を通して取材対象となる女の子を紹介してもらう交渉方法や、女の子の見た目が数割増しになる写真の撮り方の工夫など、風俗取材をする側の事情や裏話もうかがい知ることができます。

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