2020.8.12
猫と「猫ばばあ」さんと私
その時、斜め後ろ側の外階段のある黒いアパートに猫がたくさん集まってくるのが見えました。
なんか見てはいけないものを見てしまった気持ちになりました。ベランダの柵の高さは当時小学3~4年生の私と同じくらいの高さで、その3分の2は見えないようになみなみしたプラスチックで中を隠していました。そのプラスチックにしゃがんで隠れました。
しゃがんだまま、おままごとは一旦中止です。
おままごと中だったけど、猫が気になって、階段を転がるように駆け下り、なぜかドタドタ下りちゃいけない気がして、自分の最大限の慎重さと素早さとで下りて行き、玄関のほうの庭に繋がっている角から黒いアパートに行けるのですが、アパートのほうには行かず、自宅の敷地から猫が本当にいるかそっと見に行きました。ヤシの木のような木が2本玄関の並びに立っていたので、そこから隠れて見ました。
サッと隠れて、ゆっくり覗きました。
急いで数えたら、またサッと隠れる。
当時、お母さんと『土曜ワイド劇場』やら『火曜サスペンス劇場』やら見ていたので、ちょっとした張り込み気分です。
「1.2.3.4.5.6.7、8!!」
サササっと数えて7~8匹確認!!
またゆっくり覗き、サッと隠れる。またゆっくり覗く。繰り返し。
これが「猫の集会」に違いない!と思った私は、当時『ホワッツマイケル』に夢中だったもので、茶トラの猫ちゃんがいたので、あれがマイケルだ!! マイケルを見てしまった!とドキドキしました。
『ホワッツマイケル』のように猫は2本足で実は踊る!と本気で思っていたので、早く踊らないかなぁ。曲が無ければダメかなぁとそっと猫達を見ていました。
猫同士で戯れたり、黒アパートの外階段の途中で気持ち良さそうにゴロゴロする猫ちゃんを見ていました。
この猫の集会を近所の同じ歳で、お夕飯がみんなカレーライスでも関係なしに焼いた食パンにバターを塗ったトーストを食べる母を持つMちゃんにも見て欲しくて、ある日誘いました。
猫がいっぱいいるのが広まったら大変なことになるかもしれない! 何かは分からないけど、と思った私は「猫」って言ってバレたら大変なので、「猫」を「ぬこ」と呼び、「猫の集会」ではなく「ぬこの週末」と呼び、Mちゃんをお誘いしました。
「実はね、猫がいっぱいいるの。集会やっていて。猫は「ぬこ」ね。見に行かない? ヌコの週末。」Mちゃんは乗ってくれました。すごく嬉しかったです。
何日も何日もヤシの木のところで、「ぬこの週末」を待ったのだけど、待てど暮らせどぬこは集まりません。一人で待った日もありました。
私達は諦めました。Mちゃんとはバービーちゃんとリカちゃんでいつも遊んでいたのですが、通常モードに戻りました。バービーちゃんとリカちゃんでは王子様が来てくれる設定が多かったのですが、王子様を待ち「ぬこ」も待つ設定になりました。少しバリエーションが増えました。