よみタイ

いつも鏡を見てる

エリート会社員からタクシー運転手に転職した男の大失敗

【注釈】

*1 車両のグレードによるが、運転手は、月に20万円とか25万円とか、一定の金額を会社に納め営業車を借り受けるシステム。ガソリン代、タイヤ代、故障時の修理費から車両に貼るステッカー代に至るまで、一切合切が運転手負担(会社によって多少の違いはある)。不景気で水揚げが減ろうと燃料代が高騰しようと、基本的に会社が負うリスクが少ないのがリース制。

*2 交通事故発生件数の減少に伴い、事業用自動車(トラック、バス、ハイタク)の事故も減少を続けてきた。1993年に発生した4万5840件を指数100としたとき2000年のそれは144まで上がり高止まりを続けたが、2007年になって減少傾向に転じ、2011年には107に下がっている。しかし、トラック、バス、ハイタク別に交通事故発生状況を見ると、2011年のトラックの指数は100を下回り、バスも指数100。ハイタクのそれは128だった。トラックとバスの事故の減り方に較べ、ハイタクの減り方は明らかに小さい。山中修がタクシー運転手となった年、タクシーがらみの事故は多発していた。

*3 1992年、東京のタクシー運転手の平均年収は570万円だった(東京都の全産業男性労働者の平均年収は642万円)。平均年収は年を追うごとに下がり続け、私が北光自動車交通で働きだした2010年のそれは348万円(同634万円)。18年で220万円も下がり、全産業男性労働者の平均年収との差は70万円から288万円に開いた。その後は日車営収の上昇にともない平均年収もアップし、2018年には470万円にまで回復している。

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矢貫 隆

やぬき・たかし/ノンフィクション作家。1951年生まれ。龍谷大学経営学部卒業。
長距離トラック運転手、タクシードライバーなど多数の職業を経て、フリーライターに。
『救えたはずの生命─救命救急センターの10000時間』『通信簿はオール1』『自殺―生き残りの証言』『交通殺人』『クイールを育てた訓練士』『潜入ルポ 東京タクシー運転手』など著書多数。

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