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動物の世界にも「児童虐待」が存在する?! 子殺しの進化心理学

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注1:児童虐待の相談件数 過去最多に「心理的虐待」が全体の6割.NHK政治マガジン.2022年9月9日.
注2:第52回社会保障審議会児童部会 資料
注3:Lorenz, K. (1961). King Solomon’s Ring. Translated by Marjorie Kerr Wilson. Londyn: Methuen.
注4:杉山幸丸. (1980). 子殺しの行動学: 霊長類社会の維持機構をさぐる. 北斗出版.
注5:Van Schaik, C. P., & Janson, C. H. (Eds.). (2000). Infanticide by males and its implications. Cambridge University Press.
注6:山田一憲. (2009). 旧世界ザルにおける社会的知性: 生態学的側面と発達的側面に注目して. 動物心理学研究, 59(2), 199-212.
注7:Yamada, K., & Nakamichi, M. (2006). A fatal attack on an unweaned infant by a non-resident male in a free-ranging group of Japanese macaques (Macaca fuscata) at Katsuyama. Primates, 47, 165-169.
注8:Borries, C., Launhardt, K., Epplen, C., Epplen, J. T., & Winkler, P. (1999). Males as infant protectors in Hanuman langurs (Presbytis entellus) living in multimale groups–defence pattern, paternity and sexual behaviour. Behavioral Ecology and Sociobiology, 46, 350-356.
注9:血縁選択説:自然選択の単位を遺伝子と見なすことから、生物の進化においては、個体が自ら残す子どもの数に加えて、遺伝子を共有する血縁者の子どもの数の影響も考慮すべきだとする理論。
注10:Trivers, R. (1972). Parental investment and sexual selection (Vol. 136, p. 179). Cambridge, MA: Biological Laboratories, Harvard University.
注11:Daly, M., & Wilson, M. (1988). Homicide. Aldine de Gruyter.(長谷川眞理子・長谷川 寿一(訳)(1999).人が人を殺すとき― 進化でその謎をとく 新思索社)
注12:長谷川寿一, & 長谷川眞理子. (2000). 戦前・戦後日本社会はヒトに何をもたらしたか (後編) 戦後日本の殺人の動向–とくに, 嬰児殺しと男性による殺人について. 科学, 70(7), 560-568.
注13:これらの理由は前述したトリヴァースによる親の投資理論と整合しています。

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小松正

こまつ・ただし
1967年北海道生まれ。北海道大学大学院農学研究科農業生物学専攻博士後期課程修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員、言語交流研究所主任研究員を経て、2004 年に小松研究事務所を開設。大学や企業等と個人契約を結んで研究に従事する独立系研究者(個人事業主) として活動。専門は生態学、進化生物学、データサイエンス。
著書に『いじめは生存戦略だった!? ~進化生物学で読み解く生き物たちの不可解な行動の原理』『情報社会のソーシャルデザイン 情報社会学概論II』『社会はヒトの感情で進化する』などがある。

Twitter @Tadashi_Komatsu

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