2021.5.27
パンの大量廃棄問題。常識を打ち破って成功した、広島の「捨てないパン屋」の秘策とは?
捨てないお店で買った食品を捨てずに食べ切ろう!
田村さんは、ヨーロッパで消費者の意識の違いも実感したそうです。
「お客さんは、少々見た目が悪かろうが、中身を重視する。何が重要で何がそうでないか分かっている。日本は見た目だけ華やかにしておけば満足する」
日本が見た目や規格を重視する背景には「モノづくりの国」として大量生産の「製造業モデル」のビジネスを進めてきたこともあるように思います。
全てキッチリ揃っていることや見た目が美しいことを求めます。タピオカドリンクなど「映える」食べ物をインスタにアップしながら、実際には食べずに捨てることも問題となりました。
日本は見た目や規格にも厳しいため、裏ではたくさんの食品が捨てられています。
しかも、私たちは、そんな見た目も整ったたくさんの種類の商品が、いつお店に行っても買える状態を当たり前と思っています。
でも、品切れしないためのコスト、捨てるコストは、知らずに消費者が払わされているのです。
本来は、味がおいしければ見た目は気にならないはずだし、必要な数作って売り切るやり方がいいはずです。
必要な数だけ作って、余らせないための方法の一つに予約販売制があります。
私の知人のパン屋さんも、田村さんの働き方に影響を受け、完全予約制に転換しました。
とはいえ、完全予約制のパン屋なんてなかなか周りにないですよね。
でも、普通のパン屋さんでも、お店にお願いすれば予約しておいてくれる場合もあります。私が買いに行っていたデパ地下パン屋は、あらかじめ電話か来店で予約すれば確保してくれました。
予約制に対応している、あるいは、閉店間際に大量のパンを売れ残していない、そんな「捨てないお店」を積極的に利用することも、ロスを減らすためにできる行動の一つです。
【捨てないコツ】
・味や品質重視。見栄えには過剰にこだわらない。
・見かけ上の安さにつられて買うことなく、グラムあたりの値段を確認する。
・食品価格には「捨てるコスト」も含まれることを意識する。(捨てない店ならその分、売価が下がったり、より良い材料に使われたりするはず)
・事前予約制を利用して買い物をする。