2021.3.24
グリーンピースの「さや」が絶品リゾットに! 節約できて旨味満点「ベジブロス」とは?
野菜くずで出汁をとる「ベジブロス」
そこで始めたのが「ベジブロス(Vegetable’s Broth:Veg Broth)」でした。
ベジブロスとは、“野菜くず”を煮出して作るスープストックのこと。
いつもは捨ててしまう野菜のヘタや芯、皮や種などを煮ることによって、旨味たっぷりのスープができて、しかも、ゴミのカサを減らすことができます。
ベジブロスの作り方はとっても簡単。
グリーンピースのさやや、玉ねぎの皮など、そのままでは食べない部分(不可食部)を、ジッパーつきの袋にためて冷凍庫に入れておきます。
ある程度の量たまったら、深底の鍋に入れて、1〜2リットルの水を入れて、1〜2時間程度、煮出していきます。
だいたい1リットルの水に対して、両手1杯分くらいの野菜くずが目安です。
冷蔵庫保存で、2〜3日で使い切れるくらいがよいでしょう。
野菜の皮についた残留農薬がどうしても気になる人は、1分ほど重曹入りの水に浸けて乾かしてから冷凍するという方法もあります。
使う野菜の種類や組み合わせはお好みで。
グリーンピースのさやが入っていると、とても甘く、やわらかな香りの「出汁」がとれます。
グリーンピースの“さや”で作る本格リゾット
このベジブロスは、ミネストローネのような野菜スープやパエリアなど、いろんな料理に使うことができます。
私のお気に入りは、リゾットへの応用。
イタリアでは、グリーンピースのパスタやリゾットを作るとき、さやを茹でて、お湯に香りをつけるそうです。
ベジブロスを作っておけば、そんな野菜の旨味たっぷりの本格リゾットを、とても手軽に作ることができます。
私は、食品企業に勤めていたときに食の勉強会でお会いした、アクアパッツァの日高良実先生のレシピを参考にしています(『アクアパッツァ・日高良実シェフの新イタリアン』世界文化社)。
オリーブオイルを熱してエシャロット(玉ねぎ)とお米を炒め、米が透き通ってきたら、白ワインとベジブロスを注ぎ、具材(グリーンピースやアスパラガスなど)を入れて煮て、煮上がったらモッツァレラチーズやパルミジャーノチーズを加えて火からはずして出来上がりです。
グリーンピースのさやは捨てられることが多いでしょう。
でも、ベジブロスのように、煮出すことで、新鮮な野菜の香りを楽しむことができます。
料理研究家の有元葉子さんは、グリーンピースのさやを煮出して、薄いグリーン色の香りのよいスープをとり、それを使って、グリーンピースご飯を炊くそうです(『「使いきる。」レシピ』有元葉子著、講談社)。
有元さんは、「春の恵みのグリーンピースをさやごといただく行為そのものが、自然を敬う日本人の感性に合う気がする」とおっしゃっています。
新鮮なグリーンピースが手に入ったら、ぜひ、やってみてください。
【捨てないコツ】
・グリーンピースは新鮮なうちに茹でると旨味を損なわず冷凍保存できる。あらかじめ小分けにしておくと使いやすい。
・“さや”は煮て、出汁をとる。
・野菜に捨てるところはない。捨てるのは「野菜の切れ端=不要なもの」という先入観だけ。