2021.3.24
グリーンピースの「さや」が絶品リゾットに! 節約できて旨味満点「ベジブロス」とは?
日本では1年間に約612万トンもの食品ロスがあり、実は、そのうちの半数近くにあたる284万トンは、一般家庭から捨てられているのが現状です(2017年、農林水産省・環境省調べ)。
各家庭や個人で無理なくできる食品ロスの対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
地球環境に優しく、食費の節約にもなる「捨てない食卓」の始め方を、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんが食材ごとに解説します。
前回は、卵の賞味期限の真実についてお伝えしました。
今回は、3月から6月頃にかけて旬を迎えるグリーンピースについて。
豆だけでなく「さや」まで捨てずに活用する方法を紹介します。
「グリーンピース」「さやえんどう」「えんどう豆」は同じ植物
春の野菜といえば、アスパラガスや菜の花、山菜など、緑色のものがパッと思い浮かびます。
そんな春の旬の野菜のひとつが、「グリーンピース」。
グリーンピースは、実は、「さやえんどう」や「えんどう豆」と、家族みたいなものだって、知っていましたか?
「さやえんどう」は、“さや”が、まだやわらかいうちに収穫したもの。
そのあと、もうすこし大きくなった未熟な実が「グリーンピース」。
そして、成熟したものがみつ豆などに使われる「えんどう豆(青えんどう/赤えんどう)」。
全部違うものかと思いきや、成長過程によって、呼び名が違うだけなんですね。
グリーンピースは、3〜6月の旬の時期になると、さや付きのものが出回ります。
缶詰も便利ですが、生グリーンピースの風味の豊かさは格別。食物繊維など栄養素も豊富です。
もし、せっかく旬のグリーンピースが手に入ったのに、持て余してしまいそうなときは、冷凍保存がおすすめ。
女優でエッセイストの沢村貞子さんは、春先にグリーンピースをさやごと10キロ買い込んで、茹でて小分けにして冷凍し、年間通して使っていたそうです。
その様子は、貞子さんが57歳から84歳までの27年間、欠かさずに書いていた献立日記を元にした書籍『沢村貞子の献立日記』(高橋みどり・黒柳徹子・山田太一・笹本恒子ほか、新潮社)に詳しく記されています。
「さや=捨てるもの」ではない!
さて、そんなグリーンピースですが、調理の際、豆を取り出した後の“さや”をどうしていますか?
そのまま捨てる人が多いのではないでしょうか。
そういう私も、つい最近まで捨てていました。
さや=捨てるもの、という先入観しかなかったのです。
正直に言えば、テレビや料理本で、“さや”を使うアイデアを見かけたことはあったのですが、「へー」と他人ごとのように思うだけでスルーして、自分で実践まではしていませんでした。
でも、食品ロス問題のことを講演や記事で伝えたり、テレビ番組の企画で「井出さんの家の冷蔵庫を見せてください」という依頼が来たりすると、自分でやらないと示しがつかなくなってきました。
いくら理想論を語っても、自分自身がやっていなければ、説得力がありません。