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グリーンピースの「さや」が絶品リゾットに! 節約できて旨味満点「ベジブロス」とは?

まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。

日本では1年間に約612万トンもの食品ロスがあり、実は、そのうちの半数近くにあたる284万トンは、一般家庭から捨てられているのが現状です(2017年、農林水産省・環境省調べ)。

各家庭や個人で無理なくできる食品ロスの対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
地球環境に優しく、食費の節約にもなる「捨てない食卓」の始め方を、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんが食材ごとに解説します。

前回は、卵の賞味期限の真実についてお伝えしました。
今回は、3月から6月頃にかけて旬を迎えるグリーンピースについて。
豆だけでなく「さや」まで捨てずに活用する方法を紹介します。

「グリーンピース」「さやえんどう」「えんどう豆」は同じ植物

春の野菜といえば、アスパラガスや菜の花、山菜など、緑色のものがパッと思い浮かびます。

そんな春の旬の野菜のひとつが、「グリーンピース」。
グリーンピースは、実は、「さやえんどう」や「えんどう豆」と、家族みたいなものだって、知っていましたか?
「さやえんどう」は、“さや”が、まだやわらかいうちに収穫したもの。
そのあと、もうすこし大きくなった未熟な実が「グリーンピース」。
そして、成熟したものがみつ豆などに使われる「えんどう豆(青えんどう/赤えんどう)」。
全部違うものかと思いきや、成長過程によって、呼び名が違うだけなんですね。

筆者の食卓はグリーンピースが出回る時期になると豆ご飯の登場回数が増える。
筆者の食卓はグリーンピースが出回る時期になると豆ご飯の登場回数が増える。

グリーンピースは、3〜6月の旬の時期になると、さや付きのものが出回ります。
缶詰も便利ですが、生グリーンピースの風味の豊かさは格別。食物繊維など栄養素も豊富です。

もし、せっかく旬のグリーンピースが手に入ったのに、持て余してしまいそうなときは、冷凍保存がおすすめ。
女優でエッセイストの沢村貞子さんは、春先にグリーンピースをさやごと10キロ買い込んで、茹でて小分けにして冷凍し、年間通して使っていたそうです。
その様子は、貞子さんが57歳から84歳までの27年間、欠かさずに書いていた献立日記を元にした書籍『沢村貞子の献立日記』(高橋みどり・黒柳徹子・山田太一・笹本恒子ほか、新潮社)に詳しく記されています。

「さや=捨てるもの」ではない!

さて、そんなグリーンピースですが、調理の際、豆を取り出した後の“さや”をどうしていますか? 
そのまま捨てる人が多いのではないでしょうか。

そういう私も、つい最近まで捨てていました。
さや=捨てるもの、という先入観しかなかったのです。
正直に言えば、テレビや料理本で、“さや”を使うアイデアを見かけたことはあったのですが、「へー」と他人ごとのように思うだけでスルーして、自分で実践まではしていませんでした。

でも、食品ロス問題のことを講演や記事で伝えたり、テレビ番組の企画で「井出さんの家の冷蔵庫を見せてください」という依頼が来たりすると、自分でやらないと示しがつかなくなってきました。
いくら理想論を語っても、自分自身がやっていなければ、説得力がありません。

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井出留美

いで・るみ●食品ロス問題ジャーナリスト
奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。政府・企業・国際機関・研究機関のリーダーによる世界的連合Champions12.3メンバー。
『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)、『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬社新書)、『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』(あかね書房)など著書多数。
食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。

公式サイト●http://www.office311.jp/
Twitter●@rumiide

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